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理学療法士ママの「赤ちゃんの成長発達で大切にしたいこと」⑤【Let’sコミュ二ケーション!】【「離す」こと(その1)】

子どもが生まれ、初めての赤ちゃんとの暮らしに幸せいっぱい!

でもその反面、初体験の育児に心配事やうまくいかないこともたくさんありますよね。

本コラムでは、赤ちゃんの成長発達や各段階で大切にしたいことについて、地域の赤ちゃん親子をサポートする理学療法士ママがご紹介!

「日中どうやって一緒に過ごそうかな?」「成長発達が気になる」…そんなとき、ちょっとヒントになってくれたらうれしいです。

 

「離す」コミュニケ―ション

前回前々回は「触れること」をテーマにお話ししました。

今回のテーマは「離す

コミュニケーションなのに離す?はて?」と思うかもしれませんが、とっても大切なことなんです。

それでは、触れ合うのと同じくらい大切な「離す」コミュニケーションについてお伝えします!

 

「泣いたら抱っこしなくちゃ!」と思っていませんか?

「抱くと抱き癖がつく」と言われた昔から、「どんどん抱っこしてあげてね!」に変わった現在。

もちろん否定はしないのですが、色んな親子に接する中で少し気になるのは、赤ちゃんが泣くとすぐに抱っこすること

「『泣く=抱っこ』になりすぎていないかな?」ということです。

…もしかして「赤ちゃんが泣いたら抱っこしなくちゃ!」と思っていませんか?

もちろん抱っこが必要な場合もあります。

でもまだおしゃべりできない赤ちゃんは、自分の気持ちを「泣く」という手段で伝えようとしているんです。

「寂しいよ」「暑いよ」「お腹空いた」「おむつが気持ち悪い」「退屈だよ」「眠いよ」…。

泣いたからといって、必ずしも毎回「抱っこしてほしい」わけではありません

 

 

抱っこする時間が長くなると…

赤ちゃんはママの抱っこが大好き!

抱っこは大切なコミュニケーションですが、その時間が長くなるデメリットもあります。

①ママ(抱っこする人)の身体の負担が大きくなる

慣れない赤ちゃんのお世話や妊娠出産によるダメージ、筋力の低下、姿勢の変化、ホルモンなどの影響で 産後のママは不調や痛みが出やすいです。

さらに抱っこの時間まで増えると、痛みや不調のリスクが高くなってしまいがち。

抱っこしたままだと家事もやりづらく、気持ちの余裕もなくなってしまいやすいです。

この時期だから身体の不調(肩こり・腰痛・腱鞘炎など)は仕方ない…ではなく、この時期だからこそ少しでもご自分の身体を大切に、負担が少なくなるよう過ごしていただきたいです。

②「床でしっかり遊ぶ」時間が少なくなる

過去にも触れたように、赤ちゃんは生まれてから日々重力と戦っています!

思うように身体を動かせない中、手足や頭、背中を一生懸命バタバタと動かしています。

この時期の赤ちゃんは“床と仲良くする”ことがとっても大事!

「ママの抱っこ=安心地帯」ではありますが、「床遊び」(赤ちゃんが床で過ごすこと)がしっかりできるようにしてあげましょう!

赤ちゃんは日々の床遊びの中で、重力に抗して自分の身体の動きをコントロールすることを経験・学習し、運動機能を育んでいきます。

抱っこの時間が長いと、床あそびの機会が減ってしまうことに繋がります。

 

あえて抱っこしない「離す」コミュニケーションを

「そんなこと言ったって何をやっても泣き止んでくれない…」

「抱っこしたら赤ちゃんが泣き止むからとりあえず抱っこ」

「そこからおろせない…」

そんなこともあるでしょう!分かります!(私も3人の子の母です)

「抱っこしてはいけない」のではないのです。

ただ抱っこの前に「なんで泣いてるのかな?」と赤ちゃんの様子を観察してみてほしいのです。

目を見て身体に触れながらおしゃべりしてみてください。

そうすると「これはいつもの泣き声と違うぞ」「もしかして退屈だっただけ?」など何かヒントが得られるかもしれません★

 

 

赤ちゃんの泣き声で責められているように感じたり、ご近所が気になったりするかもしれません。

でもそんな心配はしなくて大丈夫!

赤ちゃんは必死に訴えているだけ!

ママを責めてないよ!

赤ちゃんの視界に入って声に耳を傾けてあげたり、身体に触れてあげるだけで落ち着くケースもあるでしょう。

「洋服やおむつを替える」「体勢や姿勢を変えてあげる」「いつもと違うおもちゃであやす」「お気に入りの曲を歌ってみる」「部屋の温度や明るさを変えてみる」など色々試してみましょう。

ちょっと時間が経つだけでも落ち着く場合もあるはずです。

 

 

すぐに泣き止まなくてもいいのです。

大声を出すのも赤ちゃんの立派な仕事です!(肺の機能も育ちますしね)

そしてどうしても泣き止まない時は抱っこしてあげてください。

その後、落ち着いたら下ろしてあげましょう。

抱っこすれば泣き止むのは分かっていても、私たちはそのようにして抱っこする側の身体を守りつつ赤ちゃんの成長発達を妨げないようにしています!

ママも無理のない範囲で試してみていただけると嬉しいです。

困ったら(できれば困る前に)、周りの支援者を頼ってね!!!

子育ては一人でするものではないですから!

かけがえのない今の時期、毎日のお世話が少しでも楽しくなりますように★

 

参考・引用文献

「やさしく学ぶからだの発達」/全障研出版部

「イラストで分かる人間発達学」「イラストでわかる小児理学療法」/医歯薬出版株式会社

「0~6歳子どもの発達と保育の本」/学研保育BOOKS

 

↓過去の記事はこちら↓

・【Let’sコミュ二ケーション!】【触れること(その2)】

・【Let’sコミュ二ケーション!】【触れること(その1)】

 

↓「育てる」のほかの記事はこちら↓

・オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ/⑨日常のちょっとした時間でアタマの中がスッキリ!/お家にあるものでカンタンにできる「新しい自分」を見つける方法とは?

・初めての育児 in 岡山/0~1歳ママ応援特集/一年間の成長過程を追う/9月

 

濱田由紀(はまだ・ゆき)

気軽にママと赤ちゃんのからだのことを相談できる身近な理学療法士「ままからだっこ」主宰。3子の母で、長子1歳の子育て中に鳥取県から吉備中央町に転居し現在、岡山市在住4年目。

県内各地域の子育て支援センターなどで出張講座や相談業務、岡山市内で発達おやこクラス、抱っこや離乳食などの講座、自宅訪問、親子イベントスタッフなどを行っている。

産前産後ママが主役の子育て専門職との集い場「はれのまほけんしつ」代表。こども摂食アドバイザー、北極しろくま堂アンバサダー、骨盤底筋pfilAtesインストラクター、子育て支援員。

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