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オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ/③一枚の絵からこんなことまでわかっちゃう!「おえかき」は心のバロメーター

みなさま、こんにちは!

「子どもの絵」心理カウンセラー「おじゃまき」と親子コミュニケーションの専門家「たなきょう」の子育てコラムにようこそ!

2人の経験や専門知識から「子どもたちが今感じていること」「親子のコミュニケーション」についてお伝えする本コラム。

私たちの経歴や活動、思いは初回コラムや一番下のプロフィールをご参照ください。

今回は「絵を読み解く方法」について、アートセラピー(芸術療法)の観点から具体的な事例を踏まえてご紹介していきます。

 

絵から読み解けるもの

まずお子さんに2枚の画用紙へ好きな絵を描いてもらってください。

1枚目はただ白い画用紙、2枚目はあらかじめ端に黒い枠線を書いて渡します。

この2枚、同じように白い紙へ好きに描いてもらうだけなのですが、実は大きな違いがあります。

実はそれぞれ、

1枚目「ペルソナ:社会に適応するために見せている姿(自分をちょっと素敵に見せるため仮面を付けて装っている状態)」

2枚目「シャドウ:人には見せたくない抑圧している自分(無意識の中に隠れている不健全な心の状態)」

が見えるのです。

 

読み解く際のポイント

お子さんに2枚描いてもらったら、その絵を読み解きます。

具体的なポイントは主に3つ。

①色

色には多くの人が共通の印象を抱くものと個人的感情が投影されやすいものがあり、同じ色であっても違う意味を持つことがあります。

例えば「赤」には「協同的」「適応良好」「自己主張的」「愛情深い」と同時に、「敵意」などの意味もあります。

赤い屋根や火山の爆発が怒りの感情を表していることもあれば、真っ赤な太陽が自信や情熱、目標を表していることもあります。

実際のカウンセリングでは、描かれた状況を確認しながら読み解いていきます。

 

②形(シンボル)

例えば、◯は「わくわく」「満ちている」「穏やか」、△は「上昇していきたい」「主張していきたい」、□は「安定」「安心」「落ち着いている」などが読み取れます。

他にも虹は夢や希望を表すなど、絵の中に描かれる物によってもメッセージが込められています。

特に子どもが虹を高いところに描く場合、「これ以上、がんばれない」というサインの可能性もあるので要注意です。

 

③配置

画用紙のどの位置に何が描かれているかも重要。

配置は「風景構成法(1969年に考案されたアートセラピーの一つ)」を基に読み解きます。

例えば画用紙を上下左右と四分割し、どの位置にモチーフが多いか、そこに何があるかを見ていきます。

いわゆるトラウマと言われるものが表れるのが左下の位置。また近景は「問題に焦点が当たっている」、遠景は「問題がまだぼんやりしている」などの状態が読み取れます。

※子どもの場合の読み解きは大人とは少し異なりますのでご注意ください。

 

これら以外にも筆圧、線の長さ、執拗に描かれているものや逆に白抜きなども、読み解く上では重要な情報です。

それでは以上を踏まえ、実際に読み解いたお子さんの絵を解説していきます。

今回は保護者の方のご協力により、お二人の絵(計4枚)をご紹介させていただきます。

 

①11才女の子

1枚目では「活動的」を意味する青や「自信」「秩序的」「注意深さ」を表す緑も用いられ、太陽、星、鳥などのシンボルから「精神性」「夢」「希望」「目標」を大切にし、明るく活動していることが読み取れます。

一方で大きな雲がいくつも描かれているので、その下にあるものに課題があるように見えます。

上下に分けてみると、上の方がしっかり描かれているので精神性の高いお子さんのように見受けられます。

そしてこの絵のように一枚の絵の中に太陽(昼間)と星(夜)が描かれている場合、心のバランスに注意が必要。自分では気づかないストレスや不安を抱えていることがあります。

テトリスとして描かれている部分は黄色と黒のストレスカラー。また木は根っこが隠れて見えないので、自分の本心を隠して美しいところだけを見せるようにしている状態のようです。

一方2枚目は、その精神性の高さを表すかのように、天界から下界を見下ろすような絵になっています。

「棒人間」、そしてそれを見守る天使、さらにそれらを見守る折り紙の馬などが描かれています。

1枚目とは異なる印象を受ける人が多いのではないでしょうか。

 

2枚の絵を見比べると、外向きには明るく頑張っていますが、心の内側では違った姿ある状態が読み取れます。

また2枚の共通点として棒人間が挙げられます。

棒人間は自分を大切にしていない表れなので、服を着せ、コミュニケーションが取れる口が書き加えられるともっと素敵になりますね。

保護者の方には、お子さんの中にある「淋しさ」や「人を優先して自分を後回しにしている状態」をサポートするため、短時間でもよいので会話を通してお子さんの感情へ理解や共通点を持つようご提案させていただきました。

 

②7才女の子

お父さんから送っていただきました。

実はこれまで80人を超えるお子さんの絵を見る中、家族が描かれている絵がとても少ないことに気づきました。

そういう意味では、久しぶりに拝見する家族の絵にちょっと安心感を抱きました。

また「愉快」「上機嫌」といったピンク、「人が2人以上描かれている」「真ん中にしっかりとモチーフを大きく描いている」などから、外向きでコミュニケーションが上手に取れ、共感性が高く優しい性格のお子さんのようだと読み取れます。

一方で1枚目の黒×赤は「怒り」、犬のリードは「お母さんへの依存」、2枚目の枠を描いて塗っている様子から「こうあるべき」「こうしなくては」という概念的な思いが表れています。

また家族の絵に口が描かれていないことから、コミュニケーションの取り方に課題があるのかもしれないですね。

 

お父さんに特にお母さんへの依存、お姉ちゃんとの距離感などについて具体的にお伝えしながら、家族間の会話やコミュニケーションをご提案させていただいたところ、「自分に対する感情などはどうでしょう」と質問を受けました。

確かにぱっと見るとお父さんを感じるものがありませんが、1枚目の絵の中にちゃんとお父さんからの愛情が表現されています。

右下に描かれているお花が「花びらで描かれている」ことで、お父さんの愛情を表しています。

 

心のバロメーター

このように絵から読み解ける内面はいろいろあります。

また同じ人でも描く時期によって違う絵ができあがるので、そのときの心のバロメーターにもなります。

もし「ウチの子の絵を定期的に読み解いていきたい!」「自分も絵を描いて内面を客観的に見てみたい!」と思われた方には、たった3時間で基礎が学べる「『子どもの絵』心理カウンセラー養成1day講座」をお勧めしています。

ぜひこちらから詳細をのぞいてみてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました!

このテーマをさらに具体的にお伝えするため「おじゃまき&たなきょう」の2人で毎月インスタライブを行っています!

詳細はそれぞれのInstagramでお知らせしますので、ぜひ下のリンクからチェックしてみてください!

引き続き「オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ」をお伝えしていきますので、次回のコラムもどうぞお楽しみに!

 

 

おじゃまき(阪本眞基子、MORE+代表、「子どもの絵」心理カウンセラー)

岡山県出身在住。外資系大手人材派遣会社に支店長として長年勤務する中、支援する求職者を含め“心のバランスが壊れてしまう”大人たちにたくさん出会う。
介護により退職後「心のバランスが壊れるのは幼少期に課題がある」と知り、ユング心理学に基づいたアートセラピーを学ぶ。
現在は地元美術館での対話型鑑賞のファシリテーションのほか、「絵から診断!言葉にならない子どもの心理」と題して外向きの顔と心の内側を読み解いたり、教育関係者や保護者向けに実際の絵の読み解き方を伝えるなど、子どもたちの表に出ないSOSを知る活動を展開してる。

Instagram~家庭でできる簡単な絵の読み解き方をお伝えしています!

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たなきょう(田中響子、スーパースピーチキッズアカデミー代表、親子コミュニケーションの専門家)

東京都出身、ルクセンブルク在住。関東の私立女子中高での8年間の勤務経験を通して、思春期の生徒たちが「親や先生から求められる私」を追求するあまり、本音を抑え込む姿に直面する。その後、子育てが原因で親子が苦しむ“負の連鎖”を断ち切るため、定期的な親子1on1ミーティングを通して子どものホンネを親が引き出す必要性を痛感。
国内外2500人以上の生徒の指導経験や海外での子育てを通して、日本人親子に特化した「子どもが思春期を迎える前に親が身につけておきたい親子コミュニケーションノウハウ」を体系化。「Kyoko式 親子1on1メソッド」として、東京でのセミナーやワークショップを始め、オンラインでもオリジナルメソッドの普及活動に努めている。

Instagram~家庭でできる子どもの本音を引き出す方法をお伝えしています!

HP

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