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明日、わが子が「学校へ行かない」と言い始めたら…
母として、子どもの不登校との向き合い方 第六回

岡山県はかつて、不登校児童生徒数の調査において、不登校の出現率が全国ワーストになったことがあります。
現在も小学校児童の不登校出現率は、全国平均を上回っているそうです。
そこで、子どもが「学校に行きたくない」と言い始めたとき、または、身体の不調などで登校できない日が続いたとき、親として何ができるのか、さまざまな立場の方にお話を伺っていきます。

第六回
総社市の取り組み「だれもが行きたくなる学校づくり」プログラム

今回は、総社市が平成22年度に導入し、継続している「だれもが行きたくなる学校づくり」プログラムについて、総社市教育委員会学校教育課にお話を伺いました。

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取り組みの内容について

総社市では、不登校児童生徒数が減少しない実態から、不登校になった児童生徒を登校できるようにする対策ではなく、不登校にならないようにする「未然防止」策に取り組みはじめました。その取り組みとは、広島大学大学院の栗原慎二教授のご指導による「だれもが行きたくなる学校づくり」プログラム(以下「だれ行き」)の導入です。
この取り組みは、子ども同士のつながりや子どもと社会的つながりを意図的に強化することにより、不登校の未然防止につながるという考え方に基づいています。
くだいて言うと、「友達に会いたいから」「自分は学校で認められる役割があるから」学校に行くといった考え方です。
「だれ行き」は、四つの柱と三つのサポートシステムから構成されています。四つの柱とは、①協同学習 ②ピア・サポート ③SEL ④品格教育 であり、三つのサポートシステムとは、保育所・子ども園・幼稚園・小学校・中学校の連携、欠席の管理による早期介入、専門家を活用したチーム支援になります。

四つの柱の捉え方

①協同学習
ペアやグループの活動における感情、役割、思考の交流を通して良好な人間関係を築き、学習意欲を向上させるための学習方法。
②ピア・サポート
「ピア」とは仲間という意味であり、「ピア・サポート」とうは仲間が仲間をサポートする活動。
③SEL(Social and Emotional Leaning:社会性と情動の学習)
「自己の捉え方と他者の関わり方を基礎とした、社会性(対人関係)に関するスキル、態度、価値観を身につける学習」と定義するとともに、特定の心理教育プログラムを意味するのではなく、定義に合致する数多くのプログラムの総称。
④品格教育
子どもたちが品性・品格(Character)を理解するのを助け、その実行にかかわらせ、子どもたち自身の生活をよい方に導くように援助していく教育。

取り組みの成果について

「だれ行き」を継続した結果、中学校の不登校出現率が大きく低下しました。取り組みを始めた平成22年度には3.63%だった不登校出現率(全国平均は2.77%)が、平成28年度には1.63%までに減少し、全国平均も下回る状況となりました。また、小学校の不登校出現率は全国の小学校が増加傾向にあるのに対し、総社市は下がってもいないが、「上がってもいない」状態を維持しています。
「だれ行き」を実施してきて、子どもたちの変容が、地域の学校の先生方のエネルギーになっていると実感しています。

今後の課題について

「だれ行き」は学校全体で協力して取り組む必要があり、また、ある程度の専門的スキルを要するため、教職員の異動によって人が代わったときに「質」を維持していくことが課題です。
これまでの9年間は大学教授や講師等を招聘し、市内小・中学校の教職員全員の研修を重ねてきましたが、今後は実際の職務現場において、業務を通して教育訓練できる環境を整えていく方針です。その結果、より一層、各学校現場のニーズに合った取り組みとなることを目指しています。

「だれでも行きたくなる学校づくり」プログラム
取り組みにいたるまでの経緯、基本的な考え方のベースとなる理論等についての詳細は、総社市のWEBサイトをご参照ください。

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