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【プレママのための幸せな出産&育児のススメ⑧】「妊娠中の運動」

 

「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?

痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、視点を変えれば、母親の体の中で命を育み、生み出すこと。

「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?

出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、それ以上に大切なのが、親になるための心の準備です。

そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、“妊娠中からのママの心と身体づくり”の方法やポイントを取材。

今回は、『妊娠中の運動』についてお伝えします。

*妊娠中の運動の必要性

「妊婦は安静に!」と言われることもあると思いますが、これはひと昔前の話。現在は妊娠経過が正常な妊婦は、妊娠中でも運動することが推奨されています。

 

なぜなら、昔は畑仕事や床の雑巾掛けなど、日常で身体を使う機会が多かったものの、現代は車やエレベーターなどの利用で歩く機会が少なくなり、トイレが和式から洋式へと変化するなど、日常生活で身体を使うことが減少し、慢性的な運動不足となっているからです。

 

こういった生活環境の変化で、身体の冷えや柔軟性、体力低下など、「産む」ための身体づくりが不足している女性が多くなってきています。健康な妊娠生活を送るためにも、安心安全で満足できる出産のためにも運動は不可欠です。

 

 

*妊娠中に運動するメリットは?

①体重のコントロールができる

妊娠中の過剰な体重増加により、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まります。体重管理をすることによって肥満を防止し、そのリスクを低下することができます。

腰背痛・むくみ・便秘などのマイナートラブルの軽減ができる

妊娠による身体の変化は大きなものです。ホルモンの変化や姿勢の変化、体内の血液量の増加によってさまざまな症状が見られます。運動することで血液循環を促したり、筋力の保持が可能。マイナートラブルの軽減にもつながります。

出産や育児に向けての筋力・持久力がつく

出産に必要な体力はフルマラソンや富士登山に例えられるほどです。それを乗り切るために、妊娠中から出産に備えて体力をつけておくことが必要になります。そして、妊娠中に体力づくりができていると出産だけでなく、産後の回復も早いと言われています。

ストレス解消になる

妊娠による身体や心の変化により、気持ちが少し下向きになることもあるかもしれません。運動することで爽快感が得られ、ストレス解消にもつながります。

 

 

*運動前に確認してほしいポイント

妊娠中に運動することは大切ですが、妊婦さんの安全が最優先!運動を始める前に確認してもらいたいポイント(妊婦スポーツの安全管理基準参照)をお伝えします。

 

★運動するにあたっての母児の条件

  • 現在の妊娠が正常で、過去の妊娠に早産や3回以上繰り返した流産がない。
  • 単胎妊娠で胎児の発育に異常がない。
  • (妊娠が分かってからスポーツを開始する場合)原則として妊娠12週以降で妊娠経過に異常がない。

※全妊娠の10~15%に自然流産が認められ、その発生時期が12週未満である。

 

★運動する時に気を付けたいこと

  • 必ず、かかりつけ医から運動許可をとり、妊婦健診ごとに運動継続について確認する。
  • 真夏の炎天下に戸外で行うものは避け、水分補給をする。
  • 自己の責任のもとに運動するので、運動の前後には心拍数やおなかの張り、胎動に注意して無理をしない。
  • 妊娠中は体重の増加や重心があるため、バランスを崩すことや転倒に気を付ける。おなかが大きくなってくると、あおむけの姿勢は「仰臥位性低血圧症候群」になることがあるので避ける。
  • 夕方から夜にかけてはおなかが張りやすいので、午前10時~午後2時の間に行うことが望ましい。
  • 運動の頻度は週2~3回で、1回の運動時間は60分以内とする。運動の強さの目安は心拍数で150bpm以下、自覚的運動強度は「ややきつい」と感じる程度(軽く息切れをするが会話ができる程度)。

 

★妊婦さんに適したスポーツ

母児にとって安全な有酸素運動かつ全身運動で楽しく長続きするものがオススメです。代表的なものとして妊婦向けのスイミングやエアロビクス、ヨガ、ウオーキングなどがあります。避けた方が良いのは、競技性のあるものや腹部に圧迫がかかるもの、振動が加わるもの、転びやすく外傷を受けやすいもの、無理な動作やジャンプを伴うもの、人と接触するようなスポーツなどです。

 

運動の習慣がなく、妊娠を機に運動を始めてみたいと思っている方は、まず日常生活にウオーキングを取り入れることをお勧めします。外の空気を吸って自然の中で歩くのは気分がスッキリします。ただ、外に出てまで歩くのは面倒だと感じる人がいるかもしれません。そんな時は室内で好きな音楽を聴きながら歩いてみましょう。

 

妊婦向けのヨガやエアロビクス・水泳を始めたいという時には、妊婦の運動について専門知識のあるインストラクターの管理のもとで、血圧や心拍数、おなかの張りの確認、胎動や胎児心音をチェックしながら実施するのが安心です。

 

 

運動することで健康維持が図れ、妊娠期間を快適に過ごせるだけでなく、主体的にお産に取り組む心づくりもできます。そして、この時期に運動習慣を得ると、健康な人生を歩むことにもつながってきます。妊娠・出産・育児は体力があってこそ。体調が落ち着いていて運動できる時期になったら、ぜひ軽い運動から始めてみましょう。

産前産後サロン 助産院あいのわ 助産師

 

シャノン⾹織さん

倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。

 

『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。

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