「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?
痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、視点を変えれば、
母親の体の中で命を育み、生み出すこと。
「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?
出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、それ以上に大切なのが、
親になるための心の準備です。
そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、“妊娠中からのママの心と身体づくり”の
方法やポイントを取材。
今回は『お産を応援してくれるホルモン』をテーマに、心を落ち着かせてくれる
ホルモンや、それを分泌しやすい環境についてお伝えします。
女性の身体には、生まれながらに命を育む力と産む力が備わっています。出産は、不安や恐怖といったマイナスイメージが先行してしまいがちですが、自分に備わっている力を信じ、最大限に発揮できると、自分にとっての「満足なお産」をすることにつながってきます。
出産に大切な3要素を知っていますか?
「陣痛」「産道」「赤ちゃん」―これらによって出産の経過が左右されます。その中でも「陣痛」は、ただ痛いだけのものではなく、赤ちゃんを押し出すというとても大切な役割を果たしてくれています。
陣痛には痛みが伴いますが、その痛みを和らげたり、心を落ち着かせるような働きをしてくれるホルモンが2つあります。
①オキシトシン
子宮を収縮させるホルモンで、陣痛が強くなるように助けてくれます。別名「愛情ホルモン」「しあわせホルモン」とも呼ばれ、赤ちゃんがおっぱいを飲む時にも分泌されます。オキシトシンが分泌されると、不安な気持ちを抑えて気持ちを安定させてくれます。スキンシップやマッサージなどでも分泌が促進されるので、出産の時には立ち会う方に優しく触れてもらうのも良いでしょう。
②βエンドルフィン
別名「脳内麻酔」と言われている神経伝達物質です。モルヒネの何倍もの鎮痛作用があったり、多幸感をもたらしてくれます。出産が終わった後に気持ちがハイになって、心地よい達成感に満たされるのも、βエンドルフィンの作用によるもの。「お産が気持ち良かった」と話される方に出会うことがありますが、これが「気持ちの良いお産」の理由です。また、出産途中で眠くなってウトウトしてしまったという方もいるのではないでしょうか?これもβエンドルフィンの働きによるものかもしれませんね。
陣痛や赤ちゃんの様子を感じながら過ごしたり、自分の心地よさを感じながらリラックスして過ごすと、オキシトシンやβエンドルフィンが分泌しやすい環境になります。出産の時に陣痛アプリなどで陣痛カウントをする方もいますが、これは頭を使ってしまいリラックスできないので、使用はあまりお勧めしていません。
とはいえ、出産の時にリラックスしようと思ってもなかなかできるものではありません。なので、妊娠中から自分にとっての心地よいものや、心地よさを感じて過ごすことが大切になってきます。
例えば…
など、日常の中での心地よさを見つけていると、出産の時のリラックスに生かすことができます。
『リラックス』することは、自分の身体に備わっている産む力を後押ししてくれます。その力を信じ、妊娠中から心と身体の準備をして、あなたらしい出産をしてみてくださいね。
シャノン⾹織さん
倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。
『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。
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