「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?
痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、視点を変えれば、母親の体の中で命を育み、生み出すこと。
「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?
出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、それ以上に大切なのが、親になるための心の準備です。
そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、“妊娠中からのママの心と身体づくり”の方法やポイントを取材。
今回は『チーム育児のススメ』と題し、満足のいく出産や産後の夫婦のパートナーシップを良好に保つために必要なことを、パパや家族の視点からお伝えします。
妊娠・出産・子育ては、家族にとって大きな環境の変化です。この時期に家族のチームワークが発揮されると絆が深まり、ママの産後うつ予防にもつながります。
チーム育児の大切なポイントは、“お互いに完璧でなくて良い”ということ。
人はそれぞれ個性を持ち、得意分野・不得意分野もあると思います。相手のことを責めるのではなく、お互いが歩み寄り協力し合って、少しずつ親になっていきましょう。妊娠中の身体や心の変化はママの身体で起きていることであり、自分事でない分、なかなか理解しづらいと感じるかもしれませんが、できるだけママの気持ちに寄り添って話を聞くようにしましょう。
◆妊娠初期(2~4カ月)
つわりは、身体がだるく感じたり、食事が進まなかったり嘔吐したり、眠くなったりとさまざまな症状が見られます。しんどい、つらそうにしている姿を大げさだととらえず、心遣いの言葉を掛けたり、ママが身体を休める環境をつくってあげましょう。
つわりの時期は「におい」に敏感になります。タバコはママにも赤ちゃんにも良い影響を与えません。喫煙者はこれを機に禁煙を考えてみるのも良いかと思います。
◆妊娠中期(5~7カ月)
つわりも落ち着き、体調も落ち着いてくるころです。ママは胎動を感じたり、おなかが大きくなってくることで動きに制限が出てくることもあります。赤ちゃんへの語り掛けをしてみたり、お風呂掃除などの家事を率先してするようにしましょう。
また、病院や地域で開かれている母親学級や両親学級などにも一緒に参加し、妊娠による身体や心の変化を学びましょう。
◆妊娠後期(8~10カ月)
赤ちゃんが大きくなっておなかが張りやすく感じたり、腰への負担が大きくなる時期です。ママの身体をいたわり、マッサージをしたり、運動不足解消のために一緒に散歩したり、おなかが張るときには無理をしないことを伝えてあげましょう。出産に向けてママの心は不安や心配でいっぱいになる時期でもあります。パパ自身も出産の経過を学び、慌てるのではなく、どんと構えて出産の時を待ちましょう。
ママと一緒に出産準備もしていきましょう!出産物品や育児物品の準備だけでなく、出産後の書類の手続きの確認や、それぞれの地域で受けられる子育て支援サポートなどを確認しておくことも大切なポイントです。
男性の育休取得率は12.65%(2020年度)と女性に比べて低いですが、パパが育休を取ることによってママの家事や育児負担が軽くなったり、赤ちゃんとの絆も深まります。
育児休暇を取るか取らないか、いつから取るかなど、もちろん話し合いは必要です。育休を取らない場合でも、残業をせず定時で帰れるように心掛けてくれることでもママの安心につながります。
パパや家族が家に居ることでママの負担にならないよう、自分のことは自分でするようにしたり、子育てについて一緒に学ぶのもおすすめです。
赤ちゃんのお世話でママにしかできないことは“直接授乳”。ママの睡眠時間の確保や休息のためにも、それ以外のお世話はパパや周りの家族が積極的にしましょう。また、家事分担の見直し、やり方なども事前に共有し、話し合っておきましょう。
育児や家事を完璧にすることが大切なのではありません。優しい言葉を掛けるだけでも、ママの心は楽になります。
出産するのはママ、赤ちゃんを育てていくのは家族みんなで。ママの心に寄り添い、心強いママのサポーターとしてできることを妊娠中から考えていきましょう。
シャノン⾹織さん
倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。
『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。
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