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妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識①/2人目不妊で悩むあなたに、今知っておきたい知識

「妊娠したい」「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」-そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?夫婦関係やストレス、日々の過ごし方など、妊娠にはさまざまな要因が影響すると言われています。正しく知って疑問や不安を解決すれば、安心してよりスムーズに妊活を進められます。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?

日本における不妊の現状

まずは「不妊」について正しく理解しましょう。

□「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊しないで性交しているにも関わらず、一定期間(1年間)妊娠しない状態のこと

□2人目不妊は「続発性不妊」のことで、妊娠(流産を含む)や出産経験があるにも関わらず、その後妊娠しない状態のこと

国の調査によると、不妊に悩む夫婦は2.9組に1組、実際に検査や治療を受けたことのある夫婦は5.5組に1組。そして、不妊で悩む人のうち3〜4割は2人目不妊で悩んでいるという結果もあります。一般的に、健康な夫婦が排卵日付近に性交をして妊娠する確率は3ヶ月で50%、6ヶ月で70〜80%、1年で90%と言われています。望んでいるにも関わらず1年以内に妊娠に至らなければ何らかの原因が隠れている可能性もあるので、受診する一つの目安となります。

 

不妊の原因

男女別の不妊の原因

□女性側…41%

□男性側…24%

□男女両方…24%

□原因不明…11%

※WHO(世界保健機関)1998年不妊症原因調査より

不妊の原因は男女どちらにも可能性があります。女性だけに任せるのではなく、夫婦で協力して検査や治療に取り組むことが必要となります。

 

▽女性の場合

妊娠するために必要な排卵・受精・着床のどれかのステップに原因があると考えられます。

・排卵に関するもの

月経が28日周期であれば、月経の約2週間前に排卵が起こります。無月経、多嚢胞性卵巣、甲状腺ホルモンの異常などがあると、排卵しにくい・排卵がない状態となります。排卵障害は女性不妊の原因の中で一番多いとされています。

 

・受精に関するもの

卵子と精子が出合うところが卵管。クラミジアなど卵管に炎症が起こる性感染症にかかったことがある場合、通り道である卵管がふさがっていることがあります。また子宮内膜症がある場合には、周囲の癒着によって卵管がふさがっていることもあります。精子は頸管、子宮、卵管を通って卵子までたどり着きます。排卵が近付くと精子が通過しやすいよう粘液が分泌されますが、粘液が少ないと精子が子宮内に入ることが難しくなります。

 

・着床に関するもの

受精卵が着床して赤ちゃんが育つところが子宮です。子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮内膜の血流不良、過去の子宮手術や炎症による癒着などがある場合、受精卵が子宮内にたどり着いたとしても着床が妨げられることがあります。

 

▽男性の場合

不妊の原因は男女ほぼ半々と言われています。

・造精機能障害

精巣で精子を造り出すことに問題がある場合。精子の数が少ない・無い、精子の運動性が低いなど。男性側の原因の中で一番多いものの、なぜ健康な精子が作られないのかは不明。

 

・精路通過障害

射精はできても精子が排出されない状態。過去の感染症による炎症などで精管が詰まっている場合がある。

・性機能障害

勃起障害(ED)、膣内射精障害など性交で射精できない状態。ストレスや妊娠への精神的なプレッシャー、糖尿病など病気が原因のことも。

 

2人目妊活を始めようと思ったら

「妊活」とは「妊娠活動」の略語で、妊娠に向けて意識的に行動すること。夫婦での話し合いから妊娠についての知識を得る、食事や生活習慣を整える、基礎体温を測る、排卵日付近にタイミングを合わせて性交をするなど内容はさまざまで、不妊治療も妊活の一つに含まれます。

しかしながら、2人目妊活は思ったほどスムーズにいくものでもありません。近年の晩婚・晩産化から第1子を30〜40代で出産する人が増えているので、まずは加齢による影響があります。女性にとって妊娠に適した時期は25〜35歳前後で、35歳を過ぎると妊娠する確率は低下。そして精子も35歳くらいから徐々に質が低下すると指摘されています。卵子も精子も年齢とともに老化し、妊娠する・させる力が低下していきます。

そして子育てと仕事、妊活の並立。仕事している女性も増えているので、職場復帰しながら妊活に取り組む環境にいる人も少なくないと考えられます。子育てや仕事に忙しい毎日の中、ストレスの多い時間を過ごしていたり、夫婦の時間がとれないことで性交の回数が少なくなったりなくなってしまったり、クリニックの受診を決めたとしても子連れで受診できるところが限られていたりと、その大変さも容易に想像できるところです。

まず、妊娠したいと思ったらできるだけ早めにクリニックに受診することをお勧めします。不妊自体は病気ではなく、身体が妊娠しづらかったり、妊娠する力が低下している状態になっていることです。しかしながら、その原因は目に見えるものではありません。検査して原因がどこにあるのか、治療が必要なのかを明確にする必要があります。その上で、治療が必要な場合にも自然に妊娠を目指す場合にも、妊娠につながるためのあなたに必要な妊活を進めていきたいものです。

妊娠するチャンスは月1回の数日間。赤ちゃんを授かるまでの期間を少しでも短くするためにも、まずは自分の身体の状態を知ることはとても大切ですよ。

 

シャノン 香織

倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポート。

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