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妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識②/「不妊治療」ちゃんと理解されてますか?

「妊娠したい」「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」-そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?夫婦関係やストレス、日々の過ごし方など、妊娠にはさまざまな要因が影響すると言われています。正しく知って疑問や不安を解決すれば、安心してよりスムーズに妊活を進められます。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?


2022年4月 不妊治療が保険適用となります

すでにニュースなどでご存知の方もいるかもしれませんが、2022年4月から不妊治療が保険適応となります。保険適用となることで、妊活中の人の不妊治療への関心が高まったり、経済的負担が軽くなることでハードルが少し下がることが期待されています。今回はこの不妊治療の保険適用について、少しでも皆さんに分かりやすく伝えられるようにできたらと思っています。

不妊治療について知ろう

不妊治療には、「一般不妊治療」と「生殖補助医療」があります。

 

□一般不妊治療

・タイミング法…排卵日を予測して性交のタイミングを合わせる治療方法

・排卵誘発法…内服薬や注射薬によって卵巣を刺激して排卵を起こさせる方法

・人工授精…採取している精液から運動している成熟精子を、排卵の時期に合わせて細いチューブを用いて子宮内に注入して妊娠を試みる方法

 

□生殖補助医療

・体外受精…卵巣に針を刺して卵子を取り出し(採卵)、体外で精子と受精させて、後日受精卵を子宮内に返す(胚移植)方法

・顕微授精…卵子の中に直接一つの精子を注入して受精させる方法

 

生殖補助医療の現状

国や日本産婦人科学会などの調査・報告によると、

・体外受精で生まれた子どもは6万598人で14人に1人(2019年)

・体外受精1回の平均費用は50万円

・治療経験者の平均年齢は39.5歳

・体外受精、顕微受精の経験者は34.7%

・体外受精平均回数は3回

 

世界有数の「不妊治療大国」である日本。晩婚・晩産化が進んでいる現状で、不妊治療を経験する人は決して少ないわけではありません。生まれる子どもの数は減少傾向でも、高齢出産の割合は増加傾向にあります。限られた時間の中で進められる不妊治療、生殖補助医療が保険適用となることで、速やかに治療のステップアップをしていく後押しにもなると考えています。また第1子を不妊治療で授かり、経済的な問題で第2子を諦めていた場合、妊娠・出産を前向きに考えることができるきっかけになるのではないでしょうか。

 


これから始まる「不妊治療の保険適用」の具体的な内容

□年齢制限

女性:治療開始時点で43歳未満(44歳以上は適用外)

男性:制限なし

□治療回数

40歳未満:子どもひとりにつき6回

40歳以上43歳未満:子どもひとりにつき3回

□保険適用になる治療

排卵誘発までだったのが、体外受精・顕微授精も適用されるようになります。

※着床前診断は適用外

□事実婚のカップルも対象

□所得制限もなし

 

今まであった助成制度はなくなるため、高い妊娠率を求めて自費診療を希望していても、助成金がない状態では選択できない状況になることも考えられます。

 

保険適用後の3割負担の具体的な料金については、こちらのサイトを参照してください。

※「ファミワン」2022年4月からの不妊治療の保険適用 治療/料金について

https://famione.co.jp/insurance-coverage/

 

 

不妊治療が保険適用となることで、ポジティブな感情を抱いている方ばかりではないと思います。不妊治療は妊娠の確率を高めるために行う治療で、治療すれば必ず妊娠できるというものではありません。

知っていてほしいのは、「妊活は不妊治療が上手くいくよう手助けしてくれる」ということ。妊活は赤ちゃんを授かるまでの準備期間ととらえ、妊娠するために必要な心と身体づくりをしていきましょう。例えば三食バランス良い食生活、適度な運動と睡眠、ストレス解消など、日常生活の中でできることをコツコツ積み上げていくことが大切になります。そしてこれをきっかけに、自分の気持ちと正直に向き合うことをしたり、お互いの年齢や仕事、生活スタイルなどを踏まえ、パートナーと今後の方向性を話し合ってみてもいいですね。

 

◎参考サイト

日本生殖医学会ホームページ

http://www.jsrm.or.jp/public/index.html

 

日本産科婦人科学会ホームページ

https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

 

シャノン 香織

倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポート。

 

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・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識①/2人目不妊で悩むあなたに、今知っておきたい知識

 

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