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『自学道のすすめ』~自ら学ぶ力の育て方~⑤ 進学のシーズン到来!子どもたちの環境の変化とは

わからないことだらけの初めての子育て。パパ・ママも自ら考えて子育てしていく中で、子どもたちも自分で考えて成長していける-。そんな環境づくりができたら嬉しいですよね。連載コラム「自学道のすすめ」では、自分で考えて行動する「自学力」の大切さを伝える自学道Labo代表の安永吉光さんに、自ら学ぶ力の育て方ついてシリーズでお伝えいただきます。

     

 

皆さんこんにちは、自学道Laboの安永です。前回「小学校高学年で起こりがちな『壁』」についてお話をさせていただきました。今月は卒業・入学のシーズン。今回は「幼稚園・保育園から小学校、小学校から中学校の大きな違い」についてお話しします。

 

◎幼稚園・保育園と小学校との環境の大きな違いとは

幼稚園や保育園、こども園と小学校との大きな違いは、「生活スタイルの違い」です。学校生活は園での生活よりも時間が細かく設定されている場合が多く、これまで以上に規律の正しさを求められる場面が増えていきます。そして先生からの指示を受けることも次第に増えてきます。そのため、低学年のうちに指示を「聴く力」を高めておくことは、学習をスムーズに進めていく上でもとても重要です。

またこのような環境の変化から、気疲れする子も少なくありません。毎日、おうちで過ごす時間や休日などでは、たっぷりと充電できるよう家庭環境を整えてあげることが何よりも重要です。

 

◎小学校生活をスムーズに過ごしていくためには

小学校生活をスムーズに過ごしていくためには、家庭と学校の連携はとても重要です。そこで、お子さんの性格上、気になる点は早い段階で担任の先生にも伝えておくようにしましょう。このときに重要なのは「○○してほしい」と具体的なやり方をお願いするのではなく、あくまでお子さん自身の特徴を伝えることです。やり方に関しては、先生がクラスのバランスを見ながらいろいろな工夫をしてくれます。具体的なやり方に言及してしまうと、かえって先生の工夫の幅が狭まり、お子さん自身やお子さんのクラスにとって悪影響となることもあります。「お願い」するのではなく、「情報」を伝えてあげることを意識しておきましょう。

また低学年のうちは、学校で起こったことをお子さんが上手に振り返って話すことはなかなか難しいものです。そのため、お子さんに学校での様子を根掘り葉掘り聞いてもあまり話してくれないことが多いです。三者面談や保護者面談のタイミングで先生から聞くようにしましょう。

 

◎小学校と中学校との環境の大きな違い①

小学校と中学校での大きな違いは3点あります。まず初めに「本人の違い」です。中学生はちょうど思春期に差し掛かるときです。それは、“半分子どもで半分大人”というとても気難しい時期だということでもあります。この思春期では、ホルモンの変化により気分にムラができたり、体調を崩しやすくなるなど、さまざまな影響が出てきます。


また、“寝ても寝ても寝たりない”というくらいよく寝る時期もあります。そんなときは、サボっているように見えてしまうこともありますが、「体調が変化している時期なんだな」と見守ってあげることも大切です。

◎小学校と中学校との環境の大きな違い②

二つ目は「評価の違い」です。特にテストの点には大きな差があります。小学校のころのテストは平均点が80点くらいになるような問題が並んでいました。また問題数も少ないので、満点も取りやすいテストになっています。一方、中学校の定期テストは平均点が60点くらいになるように作られることが多く、また担当の先生が作成することもあり、授業で扱った話が教科書の内容以上に問題として出てくることがあります。つまり、先生の個性が反映されたテストとなっているため、授業の完全理解が求められるテストです。


小学校のころは80点以上だった生徒でも急に60点台を取ることも珍しくなくなるため、「うちの子大丈夫かしら?」と心配になったり、「成績が下がった!」と焦ったりするお母さんも出てきますが、そもそもの評価基準が違うということをしっかり理解しておきましょう。

◎小学校と中学校との環境の大きな違い③

三つ目は「生活の違い」です。中学校に上がると、部活に入る生徒も少なくないでしょう。特に運動部や吹奏楽部などでは、朝練や放課後の活動で生徒たちも目一杯頑張ってへとへとになって帰ってくることも少なくありません。まじめなお子さんほど勉強も部活も一生懸命に取り組みますので、結果的に時間の余裕のない生活になることもあるでしょう。そんな生活は当然、体力的にも精神的にも負荷の掛かるものとなります。先に述べた思春期であることに加えて、生活リズムの変化によって体調を崩してしまったり、張り詰めていた糸が切れたように「学校に行きたくない」と言い出すこともあるかもしれません。


無理することも青春の一ページではありますが、精神まで病んでしまっては本末転倒です。そうなる前におうちで息抜きできるよう、親子のコミュニケーションはできるだけ取っておけるようにしたいものです。

◎進学は本人にとって大きな一歩。小さな変化も見落とさないで

進学するということは、本人にとって大きなチャレンジとなります。親として、そんなお子さんの小さな変化をよく観察して、家庭をできるだけ「安心の場」「休息の場」とできるように、環境を整えていきましょう。

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★ エフエムくらしきにて、新番組が始まります!

エフエムくらしき(FM82.8MHz)で毎月第一木曜19時45分より、安永がパーソナリティーを務める「自学道場Radio『自学道のすすめ』」が放送されます。初回は4/7(木)19時45分放送です。ぜひお聞き逃しなく!!

やすなが・よしみつ(自学道Labo代表、”成長し続ける親と子の場”自学道場塾長)

塾講師歴20年で延べ1800人以上の生徒を指導し、「自分から学ぶ子」の育て方についてセミナーや教育講演などを開催。プライベートでは一児のパパでもあり、岡山のパパ、ママ、子どもたちからは、親と子どもの間の中立な立場の存在として、相手に寄り添ったアドバイスと穏やかな人柄が支持されています。

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