「育児」と一口に言ってもたくさんありますが、出産を終えたお母さんの頭に一番に浮かぶのは「授乳」「母乳」ではないでしょうか。授乳は個人差もあり、お母さんから「生まれたらおっぱいは出るものだと思っていました。思っていたより難しい」と言われることが多くあります。今回は、授乳や母乳を通じた育児についてお話します。
母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養素や免疫物質が多く含まれており、授乳することでお母さんにとってもさまざまなメリットがあります。
☆赤ちゃんにとってのメリット
1,成長・発育に十分な栄養がある
2,感染症を予防し、病気にかかりにくくなる
3,消化・吸収が良い
4,アレルギーが起きにくくなる
5,脳の発達を促し、知的能力が高くなる
6,スキンシップにより、赤ちゃんの情緒が安定し、発達に良い影響を与える
☆お母さんにとってのメリット
1,子宮の回復に良い
2,体重増加防止(産後ダイエットに良い)
3,ストレスを抑えられる
4,女性疾患(乳がん、卵巣がん、子宮体がん)の予防ができる
5,経済的
6,スキンシップにより母性意識を高める
…などがあります。
お母さん、赤ちゃんにはそれぞれ特性があり、初めての出産時に助産師や看護師の支援なく上手く授乳ができる方はほとんどいません。「母乳育児」で大切なことは、「赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらいたい」▽「お母さんのおっぱいを飲みたい」▽「お母さんと赤ちゃんが幸せになってほしい」という、お母さん、赤ちゃん、助産師や看護師の三者の気持ちです。助産師や看護師は、それぞれのお母さんと赤ちゃんに合った支援ができるよう、また理解者になれるような母乳育児支援を行います。
母乳は、出るから吸わせるのではなく、吸われるから出るようになります。赤ちゃんが乳首を吸う吸啜(きゅうてつ)刺激で、母乳産生を促進するホルモン・プロラクチンや母乳を送り出すホルモン・オキシトシンが分泌され、母乳が出るようになります。プロラクチンは吸啜刺激によりお母さんの血中に増加しますが、3時間後には再び低い値に戻ります。したがって、プロラクチンの持続的作用を期待するためには少なくとも3時間ごとの授乳が必要です。3時間にこだわらず、赤ちゃんが欲しそうにしていれば授乳しましょう。
「母乳育児」が勧められていますが、母乳で育てるということだけが大切なのでしょうか?「母乳育児」とは、ただ母乳をあげれば良いということだけではありません。「母乳が足りない…」などさまざまな理由で母乳をあげられない場合には、ミルクを上手に使っていきます。
一番大切なのは、赤ちゃんをしっかり抱いて目と目を合わせ、やさしく語りかけながら母乳やミルクをあげることなのです。そうすることで母と子の「絆」が作られていきます。「赤ちゃんがおっぱいを吸う」「お母さんが吸われる」この二つのプロセスがとても重要で、先にもあったさまざまなメリット、そして母と子の「絆」や愛着形成にもつながり、母性が確立されます。
生まれたばかりの赤ちゃんをしっかりと抱いて語り掛け、母乳を飲ませるという行為は母と子の「絆」を作るのに欠かせません。始めは思うようにできないこともありますが、「母乳育児」に取り組んでいく中で、お母さんが自分と向き合い、そして赤ちゃんと向き合うことになります。
赤ちゃんはお母さんが掛けてくれる愛情を良くわかっています。母乳育児の中でいろいろなことに気づき、赤ちゃんの気持ちを考えながら折り合っていく「育児力」がつき、ゆっくり「母親」になっていくのです。上手くいかなくても焦る必要はありません。じっくりと取り組んでいってもらえたらと思います。
「母乳育児」は簡単なことではありません。しかし重要性が高く高貴なことだからこそ、しっかりと入院中に母乳育児をサポートしてくれる医療機関を選ぶことが重要です。
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