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妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識⑤/妊活に欠かせない睡眠、妊娠力を後押しする質の良い睡眠をとろう

「妊娠したい」「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」-そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?夫婦関係やストレス、日々の過ごし方など、妊娠にはさまざまな要因が影響すると言われています。正しく知って疑問や不安を解決すれば、安心してよりスムーズに妊活を進められます。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?


毎日の朝の目覚めはいかがですか?皆さんは十分な睡眠時間と質の良い睡眠を取れていると感じているでしょうか。仕事、子育て、家事などやるべきことと、趣味など自分のやりたいことがある中、睡眠が疎かになってはいませんか?

 

日本人の平均睡眠時間は7時間40分で、諸外国に比べて睡眠時間が短いと言われています。妊娠しやすさと睡眠についての関連を調べた研究では、睡眠時間が短かったり、「寝付きが悪い」「眠りが浅い」など睡眠障害のある人は妊娠しづらいことがわかっています。※勤務形態と妊娠しやすさには明らかな影響がないことも分かっています。

 

質の良い睡眠をとることによって卵子の老化を予防し、できるだけ質の良い状態に保つことができます。人生の3分の1を占めていると言われている睡眠を見直し、妊活の後押しとなるように生活リズムを整えていきましょう。

 

 

睡眠と妊活とホルモン


□メラトニン

脳の松果体(しょうかたい)から分泌される、良質な睡眠をとるのに欠かせないホルモン。「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。朝の光を浴びることで体内時計の活動スイッチが入り、分泌が止まります。14〜16時間後に体内時計の働きによって再度分泌され、自然な眠りを誘う作用があります。メラトニンには抗酸化作用があり、卵子を酸化ストレスから守ってくれています。

※「酸化」=身体が錆びていくイメージ。

※「抗酸化作用」=生活習慣の乱れやストレスなどで発生する活性酸素(細胞の老化や細胞死をもたらすもの)を除去する作用で、私たちの身体に元々備わっています。抗酸化作用が低下したときに起きる現象を「酸化ストレス」と言います。

 

夜間に蛍光灯などの強い光を浴びると体内時計の乱れを引き起こし、メラトニンの分泌抑制につながります。照明を暖色にしたり間接照明を使用するほか、夜間のテレビやスマートフォンの使用は控えるようにしましょう。

 

□セロトニン

「幸せホルモン」とも呼ばれ、朝起きた時から日か沈む夕方まで分泌しています。太陽の光によって分泌が活性化するので、朝起きたらまずカーテンを開け、朝日を浴びるようにしましょう。ウォーキングや深呼吸も分泌を増やすのでおすすめです。

 

また、ストレスはセロトニンの分泌を妨げる原因となります。ストレス軽減のため、もう一つの「幸せホルモン」である「オキシトシン」の分泌を促進する生活を心がけましょう。オキシトシンは、リラックスや癒しで分泌が増えます。家族やペットとの心地良い触れ合いや美味しいものを食べる、おしゃべりなど心と身体がリラックスすることをして分泌を増やし、できるだけストレスを溜めない生活をしてみましょう。

 

□成長ホルモン

「若返りホルモン」とも呼ばれ、細胞を新しくしたり細胞にできた傷を修復する働きがあります。睡眠中に分泌され、特に夜10時〜夜中2時頃が一番分泌されやすいと言われています。睡眠不足により分泌が減ると、卵子を成長させたり修復させたりする力が弱くなるので、妊活にあまり良い影響を与えません。

 

20歳以降は分泌が低下していくので、年齢とともにますます質の良い睡眠を取ることが大切。成長ホルモンの分泌は妊娠に必要なホルモン分泌の活性化につながっていて、6時間以上の睡眠が必須と言われています。

今日からできる妊活のためのしあわせな睡眠習慣

①5分でもいいので布団に入る時間を早くしてみる

②日付が変わる前に寝るようにしてみる

③夜は照明を落とし、テレビやスマートフォンを控えてみる

④睡眠時間は6時間以上取るようにしてみる

⑤朝起きたらカーテンを開け朝日を浴びてみる

 

睡眠中は代謝酵素が生産されている時間でもあるので、質の良い睡眠を取ることは身体のメンテナンスや免疫力アップ、ストレス軽減に役立ちます。また、質の良い睡眠をとることで朝目覚めが良くなり、心穏やかで気持ちの良い一日が過ごせるようになります。「疲れやすい」「寝付きが悪い」と感じる人は、まずは睡眠を見直してみましょう。

 

夜は家事に子どもの世話にと追われることも多いですが、一日の時間管理や手抜きをしてみることも必要。また、スマートフォンを使用することが多いとは思いますが、ダラダラと見るのではなく時間を決めて使用するようにしてみましょう。

 

夜の過ごし方を少し変えるだけで、妊活を後押ししてくれる質の良い睡眠を取ることができるようになります。まずは自分の身体と心が元気であるために、そして卵巣機能を良い状態に保ち、赤ちゃんを授かることができるように、今の生活リズムを見直してできることから始めてみましょう。

 

シャノン 香織

倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポートしています。

 

☟過去の記事はこちら☟

・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識④/赤ちゃんを授かりやすい身体を作るための食生活

・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識③/自然に近いかたちでの妊娠を目指す「タイミング法」について知ろう

 

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