「男の子なんだから泣かない!」
「女の子はこっちにしたら?」
こういった言葉を何気なく使っていませんか?もしかしたら、その一言が子どもたち自身の「らしさ」や好きな気持ちを奪ってしまっているかもしれません。
「LGBTQ」「SOGI」という言葉を聞いたことはありますか?
「LGBTQ」とは、
◇Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
◇Gay(ゲイ、男性同性愛者)
◇Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)
◇Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)
◇Questioning(クエスチョニング、自分自身の性自認や性的指向が決まっていない、決めていない、わからない人)
の頭文字をとった言葉です。もしかすると、「自分には該当しないな」「自分とは関係ないな」と思った方もおられるかもしれません。
一方「SOGI」とは、
Sexual Orientation /性的指向(好きになる性)
Gender Identity/性自認(自分の心の性)
の頭文字をとった言葉で、「どんな性別の人を好きになるのか」「身体的性別に関わらず、自分自身をどんな性だと認識しているか」を意味します。つまり、SOGIは「すべての人に関わる」言葉です。
私たちの世代では習っていないこと、知らないことが多いので耳慣れない人も多いと思います。ですが、私たちは「知っていく」必要があると思っています。知ることは、自分自身や周りの人を大切にすることに繋がります。
実は、早い子では3歳から性別違和を感じると言われています。入園などをきっかけに、男女で分けられることが増えていきます。例えば、帽子や制服、並び順、劇での役割などでも「あれ?」と感じることが出てきます。まだうまく言葉として伝えられないかもしれませんが、小さな違和感が積み重なります。
体の性別を理由に、「自分の感情を素直に出せない」「心から好きなものを選べない」-そんな環境って不自由だなぁと思うんです。子どもたちには感情豊かに、好きなものを大切に、自分らしく生きてほしい。一人の親として、そう願っています。
また、時々こんな辛い言葉も耳にします。「同性同士で手を繋いで気持ち悪い」「そんな服(体の性とは違うと思われやすい見た目の服)を着て変な子じゃなぁ」。大人のこんな言葉を聞いて育った我が子や生徒が、もし自分の性で悩んでいたら…、悩む時がきたら…その子はいったい誰に相談できるでしょうか。
そんな言葉を「あたりまえ」として育ったとしたら、周りにいる子の性について考えることなく、傷つける発言をしてしまうかもしれません。「自分自身を大切に」「周りの人も大切に」「周りの人からも大切に育ってほしい」-そう願ったとき、性の知識は大切なお守りになります。
子どもたちは、大人の日頃の会話を聞いています。まずは私たち大人が、周りの人や子どもたちを傷つけないために、大切にできるように、いろんな思いがあることを知っていけたら嬉しいです!
次回は今回の続きとして、「私が幼稚園の頃に買ってもらった『青色のターボレンジャーの靴』のおはなし」をお届けします。
【プロフィール】
Daisy Life 鳥越 千裕(看護師・看取り士・性教育講師)
いのちについて身近に感じるきっかけづくりをしています。
・幸せな最期のために、
・子どもたちの安心安全で自由な未来のために、
親子で学ぶ習い事「いのちのがっこう」や、「大人から子ども達へ贈る性と生のおはなし」「死生観のおはなしと死の体感ワーク」などをしています。幼稚園や小中学校、学童や子育てサークルで定期的に活動中です。
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「毎日がチャンス☆性教育は親子の日常会話」④ /家族にも伝染!母の声掛けは家族を巻き込む♪
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