「味覚形成っていつ頃から始まりますか?」-離乳食クラスでよくある質問です。「妊娠中?」「産まれてすぐにおっぱいやミルクを飲み始めた時?」「離乳食が始まった時?」-。みなさんはいつからだと思いますか?
味覚とは、食べ物を口の中に入れたときに感じる感覚のことで、塩味(しょっぱい)、甘味(甘い)、酸味(すっぱい)、苦味(苦い)、うま味(うまい)の5つで構成されています。
食べ物を歯で咀嚼し、唾液と混ざり合ったものが、舌にある「味蕾(みらい)」に触れることで味を感じます。
かつては、5つの味を感じる場所は舌の部分ごとで決まっていると言われていましたが、一つ一つの味蕾にも5つの味に対応する味細胞が存在しており、舌のどの部分でもすべての味を感知でき脳へ伝達される事が分かっています。
味蕾の発達は幼少期と言われ、30~40代には約1/3まで減るとも言われています。つまり、大人より子どもの方が味覚は敏感なのです!!
皆さんは何を食べたときに「おいしい」と感じますか?子どもがおいしいと感じるのは、基本的には「体が必要な味」です。
体は必要な栄養素が不足し始めると、それが生理的欲求に繋がります。疲れたときに甘い物が食べたくなったり、運動後に水がおいしいと感じたり…その時に欲している物に合致した味をおいしいと感じます。
また、「おふくろの味」のように味覚に昔からすり込まれた味もおいしいと感じます。お味噌汁を飲むと「あーおいしいな」と感じますよね?その他、中毒性のあるチョコレートやスナック菓子のような砂糖と油脂も、やみつきになる味をおいしいと感じてしまうものです。
子どもってお外で食べたり、大好きなお友だちと食べたり、環境が変わるとよく食べたりしませんか?逆に、疲れていたり、眠たかったり、怒られながら食べるとおいしいと感じられなくなります。
このようにおいしさは、味覚以外にも左右されています。おいしさを構成する要素は、味覚以外に嗅覚・視覚・触覚・聴覚などもあります。カレーのにおいがしたら食欲わきますよね?基本的に子どもは、暖色系の食べ物を好みます。白色の食べ物は好きだけど、緑は苦手だったりしませんか?
また、熱すぎたり、冷たすぎたりも苦手です。口に入れたときの感覚、柔らかさ・固さなども関係します。「おいしい」って奥が深いですよね!
では、本題の味覚が形成される時期についてです。
実は、味覚形成のスタートはお母さんのお腹に赤ちゃんが宿ったことに気がつく頃(妊娠7週目くらい)なんですよ!!
お母さんが妊娠中に好んで食べていたものはお子さんが受け入れやすい味になるとも言われています。その後、生後3ヶ月までに急成長して、5ヶ月頃から2歳くらいまではいろいろな味を受け入れる“黄金期”となります。そして、好き嫌いが始まり、4・5歳頃は偏食がピークとなり、やがて10歳頃には嗜好がはっきりしてきます。ということは、10歳頃までの積み重ねがとても重要になります!!
① 経験・発見させよう
幼少期に食べたものが味覚のベースとなっていきます。この時期にいっぱい経験・体験・発見をさせてあげましょう。
スーパーでは、年中並んでいる野菜もありますが、ぜひ旬の野菜・果物を取り入れましょう。やはり旬のものは、栄養価も高く、おいしさは格別です!
「夏だから、〇〇がおいしいね!」「秋が旬の〇〇っていい匂いがするね」など、声をかけて食べることもおすすめです。また、お家でミニトマトなどをプランターで育ててもいいですね!
② 学習させよう
「好きは学習による」ものです。知っている味を定着させてあげたり、お母さんやお父さんがおいしそうに食べる姿を見せてあげましょう。
ぜび、「おふくろの味」を作ってみましょう。大人になると、懐かしい味ってありますよね?昔よく食べいてたなって感じる味がありますよね。これは、昔から食べ慣れた味で、受け入れやすい味です。
白いご飯が食べにくく、ふりかけなど味付きのご飯ばかり出していませんか?…お子さんが好きなおかずの時など、毎回でなくてもいいので、時々は白いご飯を出しましょう。
③ 環境を整えよう
食事の場が楽しいと、苦手な食材でもおいしく感じられることがあります。食卓を囲む雰囲気、また、孤食にならないような工夫をしてあげましょう!
お仕事で忙しい方も多いと思いますので、朝だけ、夜だけ、お休みの日だけでもokです!
また、お母さんだけでなく、ぜひお父さんにもご協力いただきたいです!楽しく会話をしながら、また何の食材を使ってるかクイズをしながら食卓を囲ってみてはどうでしょうか。
食事の機会は一年365日、1日3食訪れます。頭では分かっていても、理想通りにはいかないことの方が多いですよね。
でも、食について考えたり悩んだりできるってすごいことですよ!食生活に無関心で、空腹を満たすために食べている人もいるのが現状です…。
年々核家族化が進み、食事が「母の責任・重荷」になってきているように感じます。
最近では、保育園や幼稚園、小学校でも「食育」の時間が設けられるようになっており、家庭以外でも小さい頃から食に触れ、楽しむ機会が設けられています。
基本的には、家庭での取り組みが多くなりますが、子どもを育てていくのは家庭だけではなく、地域・社会と連携していく必要があります。
私たちもそういったいい環境を提供できるように、皆さまに食を楽しんでいただけるように、食を通じて、人生が豊かになるようなサポートができたらと考えています。
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聞いて学ぶだけでなく、実際に触れて楽しくクッキングし、おいしく食べ、幼少期からの豊かな味覚形成のきっかけを一緒につくっていきましょう!
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