間食(おやつ)は三度の食事では補いきれない「エネルギー、栄養素、水分の補給の場」であるとともに、体や心を休めてリラックスしたり、家族や友達と和やかにコミュニケーションを図ることで、精神的な安定感をもたらし、社会性を育てる「心理的な楽しみの場」でもあります。
また、間食の楽しみから食に対する興味や関心を高めたり、食品に関する知識を深めたりすることもできる「食育の場」でもあり、子どもたちの成長発達において大切な役割を担っています。
ここでは、むし歯予防の観点から歯科的に好ましいおやつの楽しみ方を提案させていただきます。
世界保健機関(WHO)は制限すべき糖質を「遊離糖」として分類し、その摂取量を総エネルギーの10%未満に減らすことを強く推奨、「できれば5%未満にすることで、ライフコース全体でむし歯のリスクを最小限に抑えることができる」とし、具体的な分量としては1日25g以下を目安としています。
遊離糖とは単糖類(ブドウ糖・果糖等)及び二糖類(しょ糖・食卓砂糖等)のことで、人が食品や飲料に添加する糖類のほか、蜂蜜やシロップ果汁、濃縮果汁の中に天然で存在しているものを示します。
新鮮な果物や野菜に含まれる糖や、ミルクに自然に含まれる糖は含みません。
●口に長く残りやすい(チョコ、ポテチ等)
●ダラダラ食べになりやすい(アメ、ラムネ、グミ等)
●噛まない(ジュース、ゼリー、アイス等)
の3点が着目点です。
口腔内に長く停滞する食品がよりむし歯の発生を増やすことが分かっており、チョコレートやポテトチップスのようにベタっとして口に残りやすい食品や、アメやラムネ、グミなどのように漫然と長時間食べがちな食品はより危険になります。
またこのような加工食品には油脂類も添加されているものも多く、依存度を高めやすいため日常化しやすく特に注意が必要です。
一般には、主食として認識されているパン類にも国内の既製品には砂糖や油脂が含まれているものが多く、菓子類同様の注意が必要とされます。
また見落とされがちな「『噛まない』ことによって唾液分泌が促されない」という視点も重要です。
具体的にはジュースやスムージー、プリン、ゼリー、アイスなどで、仮に果汁100% であったとしても、ジュースやゼリー等には注意が必要となります。
▽むし歯危険度⚠⚠⚠(とても高い)=原則提供しない
アメ、チョコレート、グミ、ラムネ、キャラメル、ポテトチップス、菓子パン、市販のパン、ケーキ、クッキー、ビスケット、コーンフレーク、炭酸ジュース、イオン飲料、乳酸菌飲料、スムージー、ゼリー、プリン、アイス、加糖ヨーグルト
▽むし歯危険度⚠⚠(高い)=特別なときだけにする
果汁100%ジュース、果汁のみを使用した手作りのスムージー、ゼリー、アイス
むし歯危険度⚠(中程度)=週に一度以内にする
和菓子、手作りのパン
○好ましいおやつ○
おにぎり、果物、蒸し野菜、茹でたトウモロコシ、普段の食事に近いもの、おせんべい、無糖ヨーグルト
上記の分類において、危険度ランキングが低いものでもむし歯の原因にはなりえます。
とは言え、ある程度の目安があったほうがよいと考えますので、ご参考になさってください。
むし歯の原因とならない代用甘味料を使用している場合、むし歯リスクの低い食品となるものもあります。
ただし、例えばキシリトールキャンディを食べたことのある子どもは、いずれのアメも食べたことのない子どもより砂糖の入ったアメを口にする機会が増える可能性もあるため、「代用甘味料を使用すればよい」と安易に考えることは危険です。
間食の回数が増えるほどむし歯が増えることも研究から明らかにされています。
特に3回以上になるとむし歯の発生率がグッと高くなりますので、間食の回数は多くても2回までとしたほうがよいでしょう。
以上の点を意識し、おやつと上手に付き合っていただけると幸いです。
特に生えたばかりの6歳臼歯や12歳臼歯はたいへん虫歯になりやすいので、おやつの管理には特に注意が必要です。
生えたばかりの永久歯(幼若永久歯)は柔らかく、特に一番奥から生えてくる6歳臼歯や12歳臼歯は生え始めても気付かれにくく、溝が深いうえに生え始めは歯の半分ほどを歯肉に覆われている期間も長いため、歯ブラシが届きにくく清掃不良になりやすいのです。
6歳臼歯や12歳臼歯が完全に生えきるまで(生え始めから2〜3年)は特に気をつけてほしいです。
三宅ハロー歯科では、むし歯にならないための食生活のアドバイスや不正咬合(悪い歯並び)を予防するための姿勢のアドバイスもさせていただいてます。
「子どもはむし歯にさせたくない!」「子どもの歯並びを良くしたい!」と思われている方はお気軽にご来院ください。
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