前回はコロナ禍を経たこの3年間、歯科医師として子どもたちとお口の健康や発達を通して接する中で見えてきたことをお伝えしました。
今回はそれを踏まえ、子どもたちの健康を守り育てるためにできることをお伝えしたいと思います。
お口と身体の健康のために鼻呼吸が重要であることは前回お伝えしましたが、その鼻呼吸を基本とするために必要なこととして、
・鼻炎などがなく鼻の通りが良い状態ができるだけ維持されている
・舌が上顎にピッタリとくっついて正しい位置にあることで適度な圧力がかかっている
・リラックスしているときにも口が閉じている
・姿勢が良い
ことなどが挙げられます。
このような環境を整えるためにお家でできることを見ていきましょう。
赤ちゃんが授乳や抱っこのころは「首が反らない」「口が開かない」「足がブラブラしない」ことが大切です。
首が反ると、大人でも顎が引っ張られ口が開きやすくなってしまいます。
顎を引いて口が閉じられるように抱っこすること、そして足の重さで体が下に引っ張られないよう両膝の裏を支えて安定させることも大切です。
呼吸には姿勢や舌・唇の状態が影響します。姿勢、舌、唇の状態を整えるためには、体全体に加え舌や唇も含めたお口の中も柔軟に動かし、さまざまな使い方ができるよう成長発達していくことが必要です。
そのため生まれたときから年齢に関わらず効果的なのが「スキンシップをしっかりとること」。スキンシップの刺激が脳とのネットワークを強化し、体やお口の中を動かしやすくします。
鼻呼吸を育むためには、お口をいろんなバリエーションで動かし使うことが大切です。
・舌を出す、振る
・まねっこ遊び(「マ・パ行」の発音や歌)
・舌を鳴らす
・ストローで水をぶくぶくする
・うがいする
・「あいうべ体操」
あいうべ体操は道具もいらず簡単にでき、舌、唇、お顔や首の筋肉まで幅広くバランスを整えてくれます。「あいうべ」を1セットとして1日30回行うと効果的です。
鼻呼吸を育むためには良い姿勢を維持できることが大切。そのために必要な体幹の筋力は、
・つま先立ち
・片足立ち
・しゃがむ
・飛ぶ
などバランスをとる運動を繰り返すことが効果的です。
どちらが長くできるか競争して遊ぶのもお勧めです。
この3年、今までにない制限の中で過ごしてきたことによって、「現代社会において子どもたちの健康をどのように育てていかなければならないのか」に改めて気づき、考えさせられたのではないでしょうか。
次回は「食べる力やコミュニケーション力を育むポイント」をお伝えし、今後に活かすヒントになればと思います。
横道由記子
子どものころ、むし歯だけでなく歯並びに悩んで矯正治療を受けた経験から「予防歯科」という言葉に引かれ、地元岡山大歯学部で学び平成25年に和気歯科医院院長となる。むし歯予防だけでなく、噛み合わせにおいても原因を見つけ治療と合わせて予防していく考え方を学び、医院では我が子の子育てで悩み・学んだことを生かして小児歯科・小児矯正歯科を担当。地域の幼・保育園や公民館での子育て支援事業や企業主催の健康教室などで、健康なお口と心身を育むサポートを積極的に行っている。
授乳、抱っこ、離乳食、むし歯予防、歯並びのことなど、歯医者さんに聞いてみたいことを公式LINEから無料で相談できます。
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