近年、虫歯になったことがある小学生は年々減少していますが、一方で唇を閉じることが苦手な児童は約50%、口で呼吸している児童は約30%いることが報告されており、その数は増えていくと予測されています。
本来、呼吸は口ではなく鼻でするもの。鼻呼吸は天然の空気清浄機や加湿器、エアコンのように、
・バイキンやホコリを取り除く
・湿度を上げてくれる
・温度を上げてくれる
という3つの機能で気管支や肺を守ってくれます。
鼻呼吸は感染症だけでなく、歯や口のトラブル予防にもなります。
今回は近年増えてきている「お口ポカン」の原因についてお伝えします。
風邪やアレルギーによる鼻炎など何らかの原因で鼻づまりがある場合、口呼吸するようになります。
また鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が腫れ、鼻の通りが悪くなっている場合も。
骨の形に問題があって空気が通りにくいこともあります。
舌の裏側にあるヒダ「舌小帯」が短いと口呼吸を引き起こす原因となります。
舌の位置が本来の位置より下になるので、筋肉のバランスが崩れて気道が狭くなるからです。
呼吸するための筋肉は上半身にあるので、猫背になっていると筋肉が上手く動かせなくなり、呼吸をスムーズにできません。
テレビやゲーム、スマホなどで長時間同じ姿勢を続けていると、息がしづらくなり口で呼吸してしまいます。
口呼吸になると舌で上あごを支えられず、上あごが下がって顎の位置がずれていきます。
その結果、背骨に影響を与えて猫背になるという悪循環に陥ってしまいます。
前歯が出ている場合は唇が閉まりにくく、口呼吸になりやすいです。
他にも、上あごの幅が狭くて舌を上げておくスペースが足りず、口が開いてしまう場合もあります。
柔らかい食事の増加、言葉でのコミュニケーションや口を使う遊びの減少などで、口周りの筋肉を使う機会が減り、筋力が弱って口が開いてしまいます。
対策として口の体操をすることも大切ですが、まずは目の前の原因を解消して口を閉じる環境を整えることが重要です。
今回はお口ポカンの原因についてお伝えしました。
気になることがあれば是非かかりつけやお近くの歯科医院でご相談ください。
横道由記子
子どものころ、むし歯だけでなく歯並びに悩んで矯正治療を受けた経験から「予防歯科」という言葉に引かれ、地元岡山大歯学部で学び平成25年和気歯科医院長となる。
むし歯予防だけでなく、噛み合わせにおいても原因を見つけ治療と合わせて予防していく考え方を学び、医院では我が子の子育てで悩み学んだことを生かして小児歯科・小児矯正歯科を担当。
地域の幼・保育園、公民館での子育て支援事業や、企業主催の教室などで健康なお口と心身を育むサポートを積極的に行っている。
授乳、抱っこ、離乳食、むし歯予防、歯並びのことなど、歯医者さんに聞いてみたいことを公式LINEから無料で相談できます。
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