お子さんが物を食べているとき、唇を閉じてもぐもぐ噛めていますか?それとも口が開いたまま“くちゃくちゃ食べ”をしていますか?
「食べる力」は生まれつき備わっているものではなく、哺乳や離乳食を通して身につけていく技術です。
くちゃくちゃ食べは、食べる力が未熟な状態。顎や歯並び、口周りの筋肉はしっかり噛んで食べることで育っていきます。
健康の入り口であるお口を育てるため、5つのポイントを押さえてくちゃくちゃ食べを改善していきましょう。
①口が開いている(口呼吸)
②唇や前歯で適切な一口量を捕食できていない
③舌の動きが悪い
④姿勢が悪い
⑤噛み合わせが悪い
鼻炎による口呼吸は、耳鼻科で鼻呼吸できる状態を整える必要があります。
また舌のスジ(舌小帯)や噛み合わせに問題がある場合は歯科医院に相談を。
こうした問題があるかどうか、まずはかかりつけの小児科や小児歯科にご相談ください。
食べる力が未発達で、くちゃくちゃ食べが癖になっている場合の改善ポイントをご紹介します。
①唇や舌を動かして遊ぶ/お口の体操をする
にらめっこ、顔マネ、唇や舌を鳴らすなど、顔を見合いながら表情筋を使う遊びが効果的。
幼少期から家族で楽しみながら食べ方や話し方、笑い方を育てていきます。
少し大きくなったら笛やラッパ、シャボン玉のほか、風船や風船ガムを膨らますなどの遊びもおすすめです。
あいうべ体操やどすこい体操(2番)も試してみて。
②全身を動かして遊ぶ/体操をする
ハイハイで追いかける、坂を登る、トンネルをくぐる、歩く走るなどの機会も増やしていきましょう。
ボール遊びや外遊び、バランスボールなども体を育てます。
どすこい体操もおすすめ。
③適切な一口量を唇や前歯を使って取り込む
スプーンを大盛りにしてどんどん口に放り込む食べ方ではしっかり噛むことができません。
スプーンの前半分に少なめに盛り、下唇に乗せてから上唇で口の中に取り込みます。
一口サイズを放り込む食べ方ではなく、大きく切った野菜などを前歯でかじり取るようにする、トウモロコシの輪切りを前歯でガジガジ食べるのもおすすめです。
④果物の皮や種を舌でより分けて出す
スイカなど飲み込んでも危険のない果物の種は取り除かず、そのままかじって舌でより分けて出すことを家族の手本を見せながら学ばせましょう。
この動作が舌の動きを柔軟にし、発達が進むと魚の骨も上手に出せるようになります。
⑤テレビなどに気を取られず食事に集中
テレビやおもちゃに意識が向いていると食べることに対する集中力が下がり、しっかり噛むことができません。
また横を向いて食べると噛み合わせにも悪い影響を及ぼします。
食事に集中できる環境を整え、家族一緒に真似っこしながら楽しく学べる時間にしましょう。
今回はくちゃくちゃ食べとその改善法についてお伝えしました。
食べ方は健康と社会性を育てるための大切なポイント。ぜひご家族で見直して取り組んでみてください。
疑問や困ったことがあれば、かかりつけの小児歯科へご相談ください。
横道由記子
子どものころ、むし歯だけでなく歯並びに悩んで矯正治療を受けた経験から「予防歯科」という言葉に引かれ、地元岡山大歯学部で学び平成25年和気歯科医院長となる。
むし歯予防だけでなく、噛み合わせにおいても原因を見つけ治療と合わせて予防していく考え方を学び、医院では我が子の子育てで悩み学んだことを生かして小児歯科・小児矯正歯科を担当。
地域の幼・保育園、公民館での子育て支援事業や、企業主催の教室などで健康なお口と心身を育むサポートを積極的に行っている。
授乳、抱っこ、離乳食、むし歯予防、歯並びのことなど、歯医者さんに聞いてみたいことを公式LINEから無料で相談できます。
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