6歳前後になると、お口の中で乳歯から永久歯への生えかわりが始まります。
下の前歯がグラグラし、乳歯が抜けて永久歯が生えてくるころ、乳歯の奥の歯肉から「第一大臼歯」が生えてきます。
第一大臼歯は生涯使う永久歯の中でも一番大きく、噛む力の強い大切な歯。
しかしそれと同時にむし歯になりやすい歯でもあります。
今回は、「6歳臼歯」とも言われる第一大臼歯の特徴とむし歯予防についてお伝えします。
・お口の中で一番大きい
・食べ物を砕いたりすりつぶしたりする“臼”のような歯
・噛み合わせの要となり、この後の永久歯の噛み合わせの基準の一つとなる
・生えたばかりの歯は弱い
生えたばかりの永久歯は表面のエナメル質が未成熟です。
唾液などからミネラル(カルシウムやリン)を取り込み、成熟して強く硬い歯になっていきます。
・噛み合わせの面にある溝が深い
第一大臼歯には深い溝や凹みがあり、食べ物のカスやプラーク(歯垢)がたまりやすく歯磨きが難しい部分です。
予防のために「シーラント」というコーティング剤で深い溝や凹みを埋めて、歯垢がたまりにくくする方法もあります。
・少しずつ生えてくる
第一大臼歯は生え始めから1〜1年半ほどかけてゆっくりと生えてきます。
生えたばかりの第一大臼歯は他の歯と比べて背が低くて歯ブラシが当たりにくく、注意して磨かないと歯垢がたまってむし歯になりやすい特徴があります。
・歯磨き
1日2回、朝夕の歯磨き習慣を身につけましょう。
この時期は自分磨きだけでなく、まだ仕上げ磨きが必要。
鏡を見ながら、歯ブラシが第一大臼歯にしっかり当たっているか確認して優しく磨きましょう。
第一大臼歯は仕上げ磨きの際、必ずチェックして磨いていただきたいポイントです。
・食生活
おやつは1日1回15分を目安に。1日3食+間食1回=合計4回の飲食回数にまとめ、だらだら食べないようにしましょう。
またのどが渇いたときは、水やお茶などむし歯の原因にならない飲み物を選ぶ習慣を身につけます。
ジュースは果汁や野菜ジュースも含め、おやつの時間など4回の飲食の際にまとめて飲むようにするとむし歯予防に効果的です。
今回は、生涯のお口の健康にとって要となる第一大臼歯についてお伝えしました。
乳歯から永久歯に交換する時期は歯磨きが難しい一方、小学校に上がり生活習慣の基盤を整える大切な時期でもあります。
お家での生活習慣を整えると同時に、かかりつけ歯科で予防の知識を学んでケアを続け、大切なお口の健康をお子さんが自分で守る力を育てていきましょう。
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横道由記子
子どものころ、むし歯だけでなく歯並びに悩んで矯正治療を受けた経験から「予防歯科」という言葉に引かれ、地元岡山大歯学部で学び平成25年和気歯科医院長となる。
むし歯予防だけでなく、噛み合わせにおいても原因を見つけ治療と合わせて予防していく考え方を学び、医院では我が子の子育てで悩み学んだことを生かして小児歯科・小児矯正歯科を担当。
地域の幼・保育園、公民館での子育て支援事業や、企業主催の教室などで健康なお口と心身を育むサポートを積極的に行っている。
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