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オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ/⑧兄弟ゲンカが社会で役立つ学びの場に変化!?/子どものコミュニケーションスキルが上がる方法とは?

「子どもの絵」心理カウンセラー「おじゃまき」と親子コミュニケーションの専門家「たなきょう」の子育てコラムにようこそ!

2人の経験や専門知識から「子どもたちが今感じていること」「親子のコミュニケーション」についてお伝えする本コラム。

私たちの経歴や活動、思いは初回コラムや一番下のプロフィールをご参照ください。

今回は「たなきょう」より、親もついイライラする「兄弟ゲンカ」を、大人になってからも社会で役立つ「学び」に変える方法をお伝えします!

 

観察してわかったこと

さて皆さんは、お子さんの兄弟ゲンカに「やめなさい!」「いい加減にしなさい!」と絶叫したことはありませんか?

我が家にも11歳の娘と7歳の息子がいますが、下の子が自己主張できる年になると、上の子と対等になりたい気持ちが大きくなりケンカも増えます。

さらに夏休み中は一緒にいる時間が長かったこともあってか、普段以上に兄弟ゲンカが多かった気がします。

私も4つ下に弟がいて、当時よくケンカしていた記憶があります。

「お姉ちゃんなんだからガマンしなさい!」と言われて育った経験から、我が家で兄弟ゲンカが起きるたび「心理的に満たされていないのではないか」「親の愛情が足りないのでは…」と心配になったり自分を責めたりしたこともありました。

でもあるとき、ちょっと冷静に兄弟ゲンカを観察してみたらオモシロイことがわかったのです。

 

そもそもの原因

漫画を勝手に触った!」「食べたいお菓子を分けてくれない!」「ちょっとだけ青いペンを使いたいのに!」

そもそもなぜケンカが起きるのでしょうか?

よくある原因の一つは「自分のお願いを相手が聞いてくれない」から。

そんなとき、子どもたちに求められるがまま「どっちが正しいか」ジャッジしていませんか?

実は「どちらが正しいか」という判断を下すより大切なことがあります。

それは子どもたちに当たり前は人それぞれ違う」と伝えること。

我が子のケンカの理由を突き詰めたところ以下のことがわかりました。

食べたいお菓子を分けてほしいという自分のお願いを聞いてくれない!
→「相手にとってお菓子を分けることは、当たり前のことではないということに気づいていない

例えば、

これはワタシの本だから誰も触らない
お菓子はみんなで分け合って食べるべき
ペンくらい一瞬なら貸してくれるはず

というように、「自分の言っていることは正しい」「普通に考えてみんなこうすべきだ」と、自分考えはみんなの当たり前”だと思っていることがよくあります。

 

ときに「理不尽」にさえ

そこでオススメしたいのは、お子さんに「自分が当たり前と思っていることは、誰もが同じように『当たり前』と思っているわけではない」と伝えること。

家にある本は誰が読んでもいい」
「自分のお小遣いで買ったお菓子は自分のもの」
「自分も青いペンを持っているなら人に借りずに自分のを使うべき」

同じ出来事でも言い分を聞くと別の見方がわかるように、本人は自分の意見が「正しい」と思っていても、相手には「正しい」こととは見えていないかもしれない。

場合によっては自分のお願いが当たり前のことは全く思えない、どころか理不尽にさえ伝わることもあります。

兄弟ゲンカが起こったとき、子どもたちに「自分の当たり前は相手にとっても『当たり前』とは限らない」ことを繰り返し伝えてみるといいと思います。

 

自分たちで交渉するように

大切なのは「どちらが正しいか」を決めることより、相手と意見をすり合わせて共通の落とし所を見つけること

例えば、

この本は夕食後なら読まないから読んでもいいよ」
「このお菓子とそれを交換してしい」
「このペンは大切だから貸ないけど、こっちの少し細いペンなら使ってもいい」

など落とし所を相手に伝えさせてみましょう。

そして最後に親が「じゃあこうしなさい」と決めるのではなく、お互いの意見を踏まえた上で「じゃあどうするか」を子どもたちに決めさせるのです。

「じゃあこの本はご飯の後に借りるね」
「このお菓子ならいいよ、取り替えよう」
「少し細い方を貸してね」

我が家も最初は横で様子を見たりしていましたが、気づいたら自分たちで交渉するようになりました。

 

5つのステップ

ここまでの流れを整理すると5つのステップがあげられます。

  1. 事の流れを把握するため、両方に「何があったの?」「どうしたの?」と聞く
  2. 事の発端を起こした方に「どうしたかったの?」「どうしてほしかったの?」と聞く
  3. 2.を踏まえて相手側に「何が嫌だったの?」「してほしくなかったことは何?」「どうなれば『まぁいっか』って思えるの?」と聞く
  4. 2.3.を踏まえ、「じゃあどうしたらいいと思う?」と一緒に話し合って考える
  5. 最後は子どもたちに「こうする!」と決めさせる

このように、兄弟ゲンカへの大人の関わり方は「どちらが正しいのか」をジャッジする裁判官のような存在ではなく、子ども同士の交渉の間に入り相手との意見のすり合わせ方をアドバイスする仲介人のような役割がいいと思います。

一般的に友だちや夫婦、仕事仲間などの間でも「価値観が一致しないと生きにくい」とよく言われるし、私もそう思っていた時期がありました。

価値観が似た人を見つけると話がわかってもらえるのでとてもうれしいし、一緒にいてラクだと感じられます。​

​でも価値観が似ている人とだって100%全てが一致するわけではありません。

人はそれぞれ大切にしていることが違うからこそ、自分の言いたいことを相手に伝えたり、相手の気持ちを教えてもらったりしながら、他者を尊重することを学んでいく

そして身近な兄弟や家族間での交渉の習慣が、外での友だちや大人との関係、社会に出たときにも大いに役立つと考えられます。

 

人生の生きやすさ

価値観が一致する人を探すだけでなく、価値観が同じでない多くの人に向けて、我慢したり諦めたりするのではなく交渉する術」。

これを知っておくかどうかで人生の生きやすさは変わると思います。

そして私も、目の前で繰り広げられる兄弟ゲンカに「いい加減にしなさいっ!」と叫ぶ前に、これからも客観的に子どもたちを観察していきたいと思います。

自分自身を冷静にコントロールするための人間修行だと思って(笑)

また「自分の意見を言える子に育ってほしい!」と思っている保護者の方に向けて、ワークショップ型セミナーを実施しています。

具体的な方法をお伝えしていますので、ご興味のある方はぜひこちらから詳細をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

このテーマをさらに具体的にお伝えするため「おじゃまき&たなきょう」の2人で毎月インスタライブを行っています!詳細はそれぞれのInstagramでお知らせします。

ぜひ下のリンクからチェックしてみてください!

引き続き「オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ」をお伝えしていきますので、次回のコラムもどうぞお楽しみに!

 

↓↓過去のコラムはこちらから↓↓

⑦もっと子どもに共感するためのヒントとは?/「こうあるべき!」を崩すプロセスの楽しみ方

⑥これからの時代の子育てに求められる「親の力」って何?/すべてのコミュニケーション2つの柱

 

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おじゃまき(阪本眞基子、MORE+代表、「子どもの絵」心理カウンセラー)

岡山県出身在住。外資系大手人材派遣会社に支店長として長年勤務する中、支援する求職者を含め“心のバランスが壊れてしまう”大人たちにたくさん出会う。
介護により退職後「心のバランスが壊れるのは幼少期に課題がある」と知り、ユング心理学に基づいたアートセラピーを学ぶ。
現在は地元美術館での対話型鑑賞のファシリテーションのほか、「絵から診断!言葉にならない子どもの心理」と題して外向きの顔と心の内側を読み解いたり、教育関係者や保護者向けに実際の絵の読み解き方を伝えるなど、子どもたちの表に出ないSOSを知る活動を展開している。

Instagram~家庭でできる簡単な絵の読み解き方をお伝えしています!

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たなきょう(田中響子、スーパースピーチキッズアカデミー代表、親子コミュニケーションの専門家)

東京都出身、ルクセンブルク在住。関東の私立女子中高での8年間の勤務経験を通して、思春期の生徒たちが「親や先生から求められる私」を追求するあまり、本音を抑え込む姿に直面する。その後、子育てが原因で親子が苦しむ“負の連鎖”を断ち切るため、定期的な親子1on1ミーティングを通して子どものホンネを親が引き出す必要性を痛感。
国内外2,500人以上の生徒の指導経験や海外での子育てを通して、日本人親子に特化した「子どもが思春期を迎える前に親が身につけておきたい親子コミュニケーションノウハウ」を体系化。「Kyoko式 親子1on1メソッド」として、東京でのセミナーやワークショップを始め、オンラインでもオリジナルメソッドの普及活動に努めている。

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