岡山県はかつて、不登校児童生徒数の調査において、不登校の出現率が全国ワーストになったことがあります。
現在も小学校児童の不登校出現率は、全国平均を上回っているそうです。
そこで、子どもが「学校に行きたくない」と言い始めたとき、または、身体の不調などで登校できない日が続いたとき、親として何ができるのか、さまざまな立場の方にお話を伺っていきます。
岡山市議会議員(自民党)の柳井弘さんは、今の子どもたちが大人になる二十年後、三十年後を見据え、教育改革や子育て支援などに力を入れられています。
自身も不登校の経験をお持ちで、その経験をもとに小学校などで「学ぶことの楽しさ」を伝える活動もされていました。
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現在、岡山市ではいじめに対する対応として、聞き取り調査を行うなど、早め早めにケアをしていこうと心がけています。ただ、それだけではまだまだ不十分だと私は考えています。
不登校は、いじめや非行が原因として起こるだけではなく、もっと漠然とした感情、学校に対する不安感や不信感など、ふとしたきっかけから起こる場合も少なくありません。その漠然とした不安感とは何なのか、そしてどう対応していくのかは、経験がないと真の意味での理解や共感、解決への道筋づくりは難しいと考えています。
小学2年生の頃から、学校へ行かない機会が増えてきました。文部科学省は「病気や経済的理由などを除き、年間30日以上の欠席があった場合」を不登校と定義しているのですが、それに当てはめるのであれば、年間100日以上欠席することもあった私は、立派な不登校児でした。
きっかけとしては大きな理由があったわけではなく「半ズボンだと冬場は寒いのに、なぜ長ズボンをはいている生徒が圧倒的に少ないのか。こんなんじゃ、長ズボンをはいて学校へ行けない!」など、画一的、同一的な学校の考え方へのちょっとした違和感だったと思います。
小学2年生から不登校ということは、「九九」もろくにわからない状態ということです。そんな中でも算数は楽しいと感じて、算数の塾には通っていました。その塾の先生が私にとっては良い先生で、超難問を解かせてくれるのです。問題を解くために悩んで悩んで、解答への道筋が立ったときの閃き感、ビビッとくる感じが楽しくて、そこから理数系の論理的な考え方が好きになりました。
不登校児は、学校へ行かないことに対する罪悪感を多かれ少なかれ持っています。そんな子どもたちに、学校に行かないという選択は必ずしも悪いことではない、と伝えることが大切だと思います。その代わり、学校ですることを家庭やほかの場所で経験させ「学ぶこと」の楽しさを感じてもらう。その内容は子どもが興味を持つことからで良いと思います。例えば、「eスポーツ」などはアジア競技大会の公開競技として実施されることもあり、認知度や注目度も上がってきています。このような遊びの延長線上にあるものは、きっかけ作りには良いかもしれません。
「なぜ勉強するのか」を親がどれだけ言葉で押し付けても、子どもの心には響かないと思います。学んだことに対する理解が深まれば、会話が生まれ、仲間が増える。そして、学ぶ楽しみが広がっていく。そういう経験を、子どもたちに実際に積んで行ってもらうことが、教育の質を高めていくアプローチだと考えています。
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