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【お役立ち健康コラム④】新生活スタート!『春の体調トラブル~原因と対処法』


子どもはもちろん、ママもパパも家族みんな毎日元気に過ごしたいですよね。そのためにはちょっとした生活習慣の見直しや改善が必要になることも。そこで、フリーランス看護師の若林紗也子さんに、すぐに役立つ健康情報を取材。シリーズでお伝えします♪


ポカポカ陽気に誘われて、新年度が始まりました。入園や入学を迎えた子どもがいる家庭はワクワク・ドキドキの毎日を過ごしているのではないでしょうか。そんな新しい気持ちになれる春の季節は、心身に不調が出やすい時期でもあります。その理由と対処法、また、新生活の緊張や疲れがたまっている子どもへの関わり方について聞きました。

*なぜ春になると不調になるの?

毎年春になると下記の症状を強く感じることがありませんか?
☑だるさや疲れを感じやすい
☑頭や身体が重い
☑肩こり、首こり、腰痛がある
☑冷えを感じる
☑便秘
春は自律神経の働きの乱れが引き金となり、不調が起こりやすくなると言われています。ヨガや運動などで「身体を緩める、引き締める」という表現を用いますが、実は、私たちの身体は1年の中で緩んだり、引き締まったりしています。冬は寒さに耐えられるように引き締まり、次は夏に向けて汗がかけるように緩んでいきます。今は引き締まっていた身体がちょうど緩む時期。身体がうまく緩まない時に不調が起こりやすくなります。

●自律神経の働きに影響する春ならではの3つの要因
①気圧の変化
春は低気圧と高気圧の入れ替わりが頻繁に起こるため、自律神経の切り替えの不調が起こりやすくなります。雨が降る前や降った後、台風の前などに頭痛やめまい、イライラ・気分の落ち込みを感じることはありませんか?これは、気圧の変動で起こる「天気痛」と言われます。低気圧の影響で血液中の酸素濃度が下がり、日中の眠気や体のだるさを感じやすくなりがち。気圧の変化もストレスに当たります。
これらの症状の改善にオススメなのが、耳のまわりのツボ押し・マッサージです。耳たぶの後ろにある硬い部分の周りは、自律神経を整えるツボが集まっています。女性の場合は自律神経が関わる偏頭痛を持つ方がとても多いので、ぜひ本やYouTubeなどで耳の周りのツボ押し・マッサージをしてみてくださいね。
②気温の変化
日中はずいぶんと温かくなりましたが、朝晩は冷える日が続きますよね。日によって気温の変化が大きい春の時期。自律神経がうまく対応していないとバランスが崩れやすくなります。神経の働きにより、春特有のだるさや眠け、抑うつなどが見られます。もともと慢性的な頭痛がある場合には痛み症状が強く出たり、病気になるリスクも高くなるのです。
③花粉症のシーズン
3・4月は花粉症のシーズンでもあり、今は黄砂などの環境汚染があります。症状が強いと鼻が詰まって熟睡できず、睡眠不足に陥ります。環境の変化によるストレスも加わるとさらに自律神経のバランスを崩すことにつながります。

東洋医学では、春は「肝」を保養することが大切と言われます。肝臓には代謝と貯蔵、分解と解毒、胆汁の合成と分泌の他に免疫や血液の調整、体温維持などさまざまな役割があります。東洋医学での「肝」の働きは西洋医学で言う肝臓の働きと全く同じというわけではなく、身体活動の自律神経、運動機能などに影響し、肝臓の本来の機能に加えて目や筋肉、情緒のコントロール機能など広範囲にわたります。
また、「肝」の気は上昇する性質を持っており、春の陽気に刺激されて肝気が上り過ぎることがあります。それが、目の充血や頭痛・イライラ・不眠・情緒の不安定さ・血圧が上がるなどの症状につながっていると考えると、季節と身体の体調はつながっていることが分かります。
「肝」の時期のオススメ食材は色の濃い緑黄色野菜をたっぷり摂取することです。ぜひ意識して取り入れてみてくださいね。


*自律神経を整える手軽な方法


●1:2呼吸法(副交感神経の働きを高め、自律神経のバランスを整える呼吸法)
①口をすぼめて息を吸った時間の2倍かけて息を吐く
おなかが背中にくっ付くようなイメージで、ゆっくり息を吐き出します。おなかにたまった空気を全て出し切るようなつもりで。これを2~3分間繰り返します。
②背筋を伸ばし、鼻から3~4秒くらいかけて息を吸う
余分な力を抜いて胸を張った姿勢をし、おなかに手のひらを当てます。おなかを膨らませるようなイメージで鼻からゆっくり息を吸います。
他にも
●軽い運動を習慣づけて自律神経機能をアップ
●毎日規則正しい生活
●寝る前に好きな香り、好きな音楽、好きな本などで精神状態をリラックスさせる
【お役立ち健康コラム③】毎日元気に過ごすために!『ママと子どものための大切な睡眠の話』もチェックしてみてくださいね。


*新生活の緊張や疲れがたまっている子どもへの接し方

新しい環境に身を置くことで過度の緊張を感じることが増えます。緊張は心身を硬直させてしまい、体がこわばってうまく動かなくなったり、冷静な判断ができなくなってしまいます。緊張をほぐすためにお子さんとの関わり方の大切なポイントをまとめました。


●言葉より気持ちを受け止める
子ども自身、自分の気持ちをうまく言葉に表現できないことがあるかもしれません。ママが代わって「それはうれしかったね」「悔しかったんだね」のように言葉にしてみると、子どもは自分の気持ちを見つめ、表現していくことを覚えます。「感じて表現すれば受け止めてもらえる」という体験は安心感や信頼感を育ててくれるのです。


●たっぷり甘えさせてあげよう
新しい環境に順応してくためには「甘え」が大切です。家庭教育研究所の高橋愛子さんは「甘えさせるというのは『心にごちそうをあげる』ことです」と伝えています。外で頑張れば頑張るほど、心のごちそうは減って疲れてしまいますよね。心のごちそうをたくさん食べることで、疲れは回復していきます。子どもが甘えることは心の栄養補給なのです。
たっぷり甘えさせることは、新しい環境の変化から気持ちが不安定になっている子どもには“自分は自分のままで居ること”“自分が存在することへの安心感”から自分を信じることにもつながります。

 

慌ただしい新学期、休日にはご家庭でホッとする時間を増やしてほしい時期。感染対策には気を付けながらおいしいものを食べたり、楽しいと感じることを大切にし、ご家庭で「心地よい」時間が増えるとうれしいですね。


若林紗也子さん
1991年岡山生まれ。看護師として急性期病棟、小児科を経てフリーランス看護師に転身。現在は病院、訪問看護、保育園などで勤務。小児科勤務時代に子育てに不安や孤独を感じるママが多いことに気付き、子ども、ママも含めた家族支援の必要性を感じ胎内記憶教育や子育て数秘を学び、ママや家族のカウンセリングも実施。また、‟そよ風のように そっと包み込む 優しさを”をモットーにSNSなどで思いを発信しています。
ブログ:https://ameblo.jp/mah358alo/
Instagram:https://www.instagram.com/say385ako/


【参考文献】
・日経ヘルス編「自律神経ケアで不調を解決!」(日経BPマーケティング 2017)
・PHPのびのび子育て編集部著「怒ってばかりの毎日にさようなら『甘えさせ上手』なお母さんがやっていること」( PHP研究所 2013)
・杉村貴行編「暮らし上手のカラダ改善」(エイ出版社 2017)

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