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子育てママのための健やかアロマライフ④/お子さまの肌トラブル 乾燥とアトピー性皮膚炎

「子どもはかわいくて愛おしい♡」-毎日そう感じたいところですが、現実にはなかなか…。思い通りに事が進まずイライラしたり、ときには涙が出てくることもあるかもしれません。育児のイライラやホルモンバランスを整えたいときにおすすめなのが「香り」。五感の中でも脳にダイレクトに届く刺激は嗅覚だけとも言われていて、一瞬で気分転換させてくれます。

今回は、お子さまの肌トラブルとアロマなどによるケアのお話。健康なお肌は、皮膚表面の角質層にバリア機能が備わっています。バリア機能とは、外部からの刺激や異物の侵入から肌を守ったり、身体の内側に蓄えている水分が逃げないようにしたりする機能。皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質と呼ばれる3つの保湿因子によって維持されていて、お肌を乾燥から守ってくれます。

 

子どもは汗をかきやすいので乾燥していないように見えますが、実はバランス良く皮脂を作ることができないため、発汗後はより乾燥しやすいのです。お肌のトラブルの多くはこのバリア機能の低下によって引き起こされ、子どもは大人より皮膚が薄くバリア機能が未発達のためトラブルが多いのです。

 

◆アトピー性皮膚炎とは?

子どもの皮膚トラブルで多いのは乾燥やアトピー性皮膚炎です。私の娘も2歳の頃から軽いアトピー性皮膚炎の症状がではじめました。蚊に刺されたら7〜8㎝くらいの広い範囲で赤く腫れてしまい、数週間もその状態が続いたり、洋服を脱ぐ時に乾燥している耳たぶが少し切れてしまったり、顔や肘の内側をかゆがり、引っ掻き傷から血や体液が出てグジュグジュになったり…。肌の状態がひどくなっている様子や、幼い我が子がかゆくて泣いているのを見たりすると、母としてとても悲しい気持ちになることもありました。

 

アトピーについていろいろ調べると、黄色ブドウ球菌やカビが原因で症状を悪化させることや、ステロイドはとても即効性があるものの副作用があること、アロマテラピーでかゆみや炎症をかなり抑えられること、食事も症状に影響すること、母子の精神的なストレスが悪影響を与えてしまうこと…などを知ることができました。

 

◆アトピー性皮膚炎におススメのアロマ

【かゆみや炎症・腫れ】

 ブラックスプルース、スコットパイン

【かゆみ物質のヒスタミンの働きを抑える】

 ジャーマンカモミール

【ヒスタミンの放出を抑える】

 ローマンカモミール

 

精油をブレンドして作ったクリームやジェルなどを塗ることで、さまざまな薬効を同時に得ることができます。また芳香成分(香り)によって精神的にリラックスできることもアロマテラピーのすばらしいところ。子どもがかゆそうしていたり、その様子を見てお母さんは辛くなる。そんな時、優しいアロマの香りは気分を穏やかにしてくれます。

 

[アトピーのアロマレシピ]

①ティートリー20滴、ラベンダー12〜20滴、ジャーマンカモミール2〜4滴、ローマンカモミール2〜4滴を50gのワセリンに混ぜるか、50mlのホホバオイルで希釈し、患部に1日数回塗布します。

②(かゆみや炎症が特にひどい時)レシピ①にブラックスプルース2滴、スコットパイン2滴を加え、患部に1日数回塗布します。

(参考:「アロマセラピーで痛みとかゆみは治せる」川端一永、田水智子、吉井友季子著、マキノ出版)

※なお使用は自己責任において行ってください。

◆ステロイド剤と関わり方

我が子のアトピー症状と向き合う中、いろいろな経験をさせてもらいました。その中で印象的だったエピソードをご紹介します(個人差もありますので、経験者による多くの症例の一つとしてお伝えさせていただきます)。

 

娘のケアのためにアロマクリームやジェルなどを手作りして塗ってあげたり、食事に気をつけたりしていましたが、一度だけ急激にひどくなってしまった時、病院で処方されたステロイド剤を使ったことがあります。

 

数日間でお肌の状態はどんどん良くなり、2週間ほど塗ったところでアロマケアに戻しました。すると、噂には聞いていたので覚悟していましたが、元のお肌よりさらにひどい状態になってしまいました。俗に言う「リバウンド」です。

 

その後はどんなに肌の状態がひどくてもステロイドは使わず、アロマやクレイでケア。成長と共に皮膚のバリア機能が高まることを信じて、「目先よりも大人になったときキレイな方が娘のため!」と気持ちを強く持ち、傷だらけのお肌と向き合いながらケアを続けてきました。

 

娘のお肌が弱かったことがきっかけでいろいろなアロマクラフトを作るようになり、そのころから子育てママ向けのアロマ講座を開講しています。ステロイドを何年も塗り続け、皮膚がどんどん薄くなって紫外線を吸収しやすくなり、ガサガサに黒ずんでしまうという症状になっている方もおられます。副作用も含めて理解した上、お子さまにあったケアをおすすめします。

 

◆周囲の視線

私自身、子どもの肌の状態が良くないことで周りから、

「このママ何もしてあげてないのかな」
「病院連れてってあげてるの?」
「お薬塗ってあげてるの?」
「お手当てしてもらえなくてかわいそうに!」

という無言の声が聞こえてきそうで、とても肩身の狭い思いをすることもありました。また私はステロイドを使わないナチュラルケアをしていたので、肌の状態だけ見るとケアしてないように見られてしまうこともあったと思います。

 

でも、お子さまのことを一番に考えているのは誰でしょう?ママ友でも小児科の先生でもなく、一番側に居るママですよね。ママ自身が悩み、考え抜いて選んだのなら、その選択に自信を持ってもらえたらと思います。他人の冷たい視線を感じても、自分の選択に胸を張ってくださいね!

 

子どもの皮膚は成長と共にバリア機能や免疫力が高まってきます。長期的に考えてケアを続け、周囲の声も気にならないように過ごしていってもらえたらと思います。

 

私の娘は11歳になり、長年悩まされてきた腕のアトピーは近くで見ないとわからない程度まで良くなってきています。今もケアを続けているので、大人になるころにはさらに健康なお肌になっているだろうと感じています。

 

◆日常生活で気を付けたこと

・小麦を避ける(グルテンフリー)
・牛乳を避ける
・上白糖を避ける
・爪を短く切る、ピッタリしたインナーを着る(引っ掻き傷を避けるため)
・ボディソープではなく固形石鹸でお肌を洗う
・日焼け対策をしっかりする(ホホバオイルなどを塗ってから日焼け止めを塗る)
・睡眠時間をたっぷりとる
・親が気にしすぎない

アトピーはアロマケアを始めてすぐに良くなることもあれば、何年もかかることもあります。しっかりケアしてあげて、でも必要以上に気にしすぎず、「そのうちよくなる♩」と信じて気長にお子さまとお肌と向き合ってほしいと思います。

 

すべての経験は宝物!アロマを味方に気分転換しながら、日々穏やかに過ごせますように。

 

千原亜希(Martine Aroma 〜マルティーヌアロマ〜代表)

アロマテラピーのサロンにセラピストとして5年勤務した後、妊娠出産を機に独立しフリーランスとして活動を開始。2020年11月、岡山市北区内山下にアロマとハーブの温活サロンをオープン。子育て中にアロマテラピーやナチュラルケアのすばらしさを実感し、子育て世代にその大切さを伝えるほか、自身の不妊治療の体験から妊活サポートも行なっている。講座の開講や講師活動、イベント出展、企業内ワークショップなど多数開催。

 

HP:https://martine-aroma.localinfo.jp/

 

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子育てママのための健やかアロマライフ③/アロマですっきり!イライラ解消法!
子育てママのための健やかアロマライフ②/アロマで免疫力アップ

 

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