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【お役立ち健康コラム⑧】『夏バテを防ぐ過ごし方』

子どもはもちろん、ママもパパも家族みんな毎日元気に過ごしたいですよね。そのためにはちょっとした生活習慣の見直しや改善が必要になることも。そこで、フリーランス看護師の若林紗也子さんに、すぐに役立つ健康情報を取材。シリーズでお伝えします♪

梅雨が明けるといよいよ夏本番。ちょっと油断すると大人も子どもも夏バテしてしまう時期です。そこで今回は夏バテをテーマに、その原因や夏バテを防ぐ過ごし方について聞きました。

 

*なぜ夏バテになるの?

夏バテは、暑い日々に何となく体がだるい、疲れがとれにくい、食欲がわかなくなるといった体の不調が続くことで起こります。さまざまな要因がありますが、代表的な要因を2つお伝えします。

 

①水分とビタミン、ミネラルの不足

私たちの身体の約60%は水分でつくられています。例えば、体重50kgの成人の場合は約30kg分が水分となり、水分が身体の大半を占めていることになります。

皆さんは日常生活で1日どのくらいの水分が身体から失われるかご存じですか?実は1日約2.5l(リットル)もの水分が身体から失われていくといわれています。食事中の水分や体内でつくられる水の量は1.3lのみ。つまり、意識してこまめに水を飲まないと、結果1.2lの不足となってしまいます。


私たちの身体は暑い時に汗をかき、汗が蒸発することで体温を下げる機能があります。汗には水分だけでなく、ビタミンやミネラルが含まれているため、それが排出されることで脱水が起きます。喉が渇いていると感じる時には既に脱水が始まっているので、喉の渇きを感じる前のこまめな水分補給が必要です。

 

②外気温の温度差や体の冷え

自律神経には体温を一定に保つ働きがあります。特に夏場は暑い外に居ても涼しい室内で過ごしていても脳の温度が約37℃になるよう、自律神経は活発に働いています。

ですが、外気温の温度差や体の冷えは自律神経の乱れを招きます。自律神経を管理している脳がエネルギーを使いすぎると疲労してしまい、夏バテの原因となっているようです。

夏の冷えと疲れを予防するには、まずエアコン温度の調整が大切です。快適に過ごそうとつい低い温度設定にしていませんか?室外と室内の温度差は5℃以内が理想的。暑い日ほど室内のエアコンは高く設定することをオススメします。

なお、エアコンは25℃以上の設定が理想です。

 


*食生活で気を付けてほしいポイント

 

  • 冷たいドリンク

暑いからといって冷たいドリンクばかりを飲んでいませんか?冷たいドリンクによって胃腸が冷えると消化能力が落ちてしまい、消化能力が落ちると必要な栄養素が吸収できなくなってしまいます。また、冷たいドリンクを飲むと体温を上げるために胃腸に血液が集まり、脳や筋肉に回る血液が減るので、集中力の欠如や運動のパフォーマンス低下が起こります。

 

ペットボトル症候群

ペットボトル症候群とは、炭酸飲料や清涼飲料水など糖分を多く含むドリンクをたくさん摂取することで発症する病気です。必要以上に糖分を取ることで血糖値が急上昇。それを薄めるために喉が渇きます。その際に糖分を多く含むドリンクを飲むと、さらに喉が渇き、また飲む、といった悪循環が生まれます。重度になると意識もうろう・昏睡などの症状(糖尿病性ケトーシス)を引き起こすこともあります。

特に身内に糖尿病のある方や生活習慣病予備軍の方がいる場合は注意が必要です。子どもも清涼感のある甘みを好むことなどからこの状況に陥りやすくなり、当然発症することもあります。ママが知っておくと子どもへの飲み物を選ぶ時に注意ができますよね。

一般的な清涼飲料水500ml(ペットボトル1本)には実は糖分約50~60g(角砂糖約13~16個分)が含まれています。子どもが1日に摂取する砂糖の理想的な量は約25g(角砂糖約7個分)なので、清涼飲料水を1本飲むだけであっという間に糖分を取り過ぎてしまうことが分かります。水分補給をする際は糖分が含まれないお茶や水をこまめに飲むことをオススメします。激しい運動をした際には、熱中症予防のために塩分も適宜取るようにしましょう。

 

  • 冷たい麺類

また、この時期の食事メニューはそうめんなどのサッと食べることができる冷たい麺類を選びがちですが、麺類ばかりの食生活はビタミンやミネラルが不足しがちになります。そこで、そうめんの具でタンパク質、ビタミンB1、ビタミンC、その他の栄養素を補えるよう工夫してみてください。タンパク質やビタミンB1は豚肉、ビタミンCはパプリカやブロッコリー、果物にもたくさん含まれています。ビタミンCは水溶性なので、できれば生で取ることをオススメします。パプリカやトマトを小さめに切ってマリネにし、ゆでた豚肉をそうめんに載せるのも良いかもしれませんね!

 

 

*オススメの冷え対策について

最近は冷え性に悩む女性が増えています。夏でも「手足の指先は氷のように冷たい」「上半身はほてっているのに下半身だけは冷たい」といった症状を抱える女性が多くなりました。

冷え性は手足の末端の血行が悪くなり、体の温度が下がって冷たく感じる状態です。血行が悪くなるのは、平熱が低いこと、無理なダイエットやホルモンの乱れなどさまざまな要因があります。女性は男性より筋肉量が少ないので体の中で熱を生みだせる量も少なく、冷えやすくなります。夏の服装はノースリーブや薄手のワンピース、素足にサンダルなど、冷えやすい服装が多いことも原因の1つですね。

 

  • 冷え対策

・エアコンの設定温度は25~28℃を目安にし、寒さを感じないようにする!

・腹巻や厚手の靴下など、服装で自分を守る!

 周囲の人には快適な温度でも冷え性の場合は一瞬で芯から冷えてしまいます。エアコン下で冷えやすいと感じる方は腹巻や足首ウォーマーなどの使用もオススメです。体感温度の差が小さくなるので疲労感の減少につながり、夏バテ防止になります。

・適度に体を動かし、血流の改善を心掛ける!

 長いデスクワークやなかなか運動ができない時は、つま先とかかとを交互に上げ下げするだけでも足のポンプの働きで血流の改善が見られます。

・シャワーより湯船につかる!

 これからの季節はシャワーで済ませたくなりますが、いつもより少しぬるめの温度で湯船につかると体は温まり、水圧で血流の改善も見られます。

・ストレスをためないようにする!

 ストレスがたまると自律神経の働きが低下して冷えを招きます。

 

 

このように暑い時に体を冷やす習慣を続けていると夏バテ症状を引き起こしやすくなります。子どもたちにとっての夏休みはいろいろなチャンスがある期間です。コロナ禍ではありますが、家族との時間や、友達との時間、学びや新しいことにも触れる機会がたくさんあると思います。日常の過ごし方で夏バテを防ぎ、ママも子どもたちも一緒に楽しい夏をお過ごしください。

若林紗也子さん

1991年岡山生まれ。看護師として急性期病棟、小児科を経てフリーランス看護師に転身。現在は病院、訪問看護、保育園などで勤務。小児科勤務時代に子育てに不安や孤独を感じるママが多いことに気付き、子ども、ママも含めた家族支援の必要性を感じ胎内記憶教育や子育て数秘を学び、ママや家族のカウンセリングも実施。また、‟そよ風のように そっと包み込む 優しさを”をモットーにSNSなどで思いを発信しています。

ブログ:https://ameblo.jp/mah358alo/

Instagram:https://www.instagram.com/say385ako/

 

【参考文献・サイト

・全国健康保険協会「夏バテを防ぎ、元気に暑さを乗り切る!」

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/260801/

・オムロン「夏の体調管理は『冷房病対策』から」

https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/13.html

・村山彩著「あなたは半年前に食べたものでできている」(サンマーク出版 2013)

・柏市立柏病院 内分泌・代謝内科医師 稲澤健志監修「ペットボトル症候群」

http://kashiwacity-hp.or.jp/cms/upimg/file/mtopi_201308.pdf

・厚生労働省e-ヘルスネット「嗜好飲料(アルコール飲料を除く)」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-014.html

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