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【お役立ち健康コラム⑫】 『気を付けたい感染症~ノロウイルス~』

 

子どもはもちろん、ママもパパも家族みんな毎日元気に過ごしたいですよね。そのためにはちょっとした生活習慣の見直しや改善が必要になることも。そこで、フリーランス看護師の若林紗也子さんに、すぐに役立つ健康情報を取材。シリーズでお伝えします♪

 

 

朝晩に寒さを感じる季節になってきました。これからの季節はウイルス性の嘔吐(おうと)・下痢といった感染症がはやり始めます。中でもノロウイルス感染症やロタウイルス感染症は非常に感染力が高く、一人がかかるとすぐにクラス中にまん延してしまうほどです。そこで今回は「ノロウイルスに感染した際に気を付けたいポイント」について聞きました。

*ノロウイルスとは

ノロウイルスは、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルス性の感染症です。主に冬場に多発。11月ごろから流行が始まり、1、2月にピークを迎えます。感染力が非常に強く、感染者の嘔吐物や便の中に含まれるウイルス数百万~数億個のうち、10~100個程度のわずかな量が体内に入っただけでも感染してしまうほど。また、一度感染したとしても再感染する可能性もあります。

 

【感染経路(どうやって感染するの?)】

・感染した人の嘔吐物や便、それらに汚染されたドアノブやオムツを触った手などからの二次感染。

・感染した人が十分に手洗いしない状態で調理を行い、ウイルスが付いた食品を食べた場合。

・ウイルスに汚染された貝類(カキなど)を生や十分に加熱処理しないで食べた場合。※食品は85度以上の状態で90秒以上の加熱処理をしましょう。

 

【潜伏期間】

・感染から発症まで24~48時間。

 

【症状】

・吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、微熱が1、2日続きます。感染しても症状がなかったり、軽い風邪のような症状の場合もあります。子どもは嘔吐の症状が強く出ることが多いとされています。

 

 

*ノロウイルス感染中に気を付けたいこと

  • 肺炎や窒息

→嘔吐物を吸い込むことにより起こりやすいので注意が必要です。

 

  • 脱水症状

→子どもや乳幼児は大人に比べて体内の水分量の割合が高く、嘔吐や下痢によって水分バランスが崩れると簡単に脱水に陥ってしまいます。初期症状として、いつもより尿があまり出なくなり、悪化すると、口の中が乾いたり、ぐったりとして寝てばかりいるといった症状が現れます。場合によっては生命に関わることもあるため、十分注意する必要があります。

 

  • 自己判断による下痢止め薬の服用

感染後は嘔吐物や便から体内のウイルスを排出することによって徐々に体内のウイルスが減り、治癒していきます。そのため、下痢止め薬を服用するとウイルスを含んだ便を体にせき止めてしまうことになり、自然治癒を遅らせてしまう可能性があります。自己判断による下痢止め薬の服用はやめましょう。

 

*吐いてしまったら?嘔吐物の処理方法

①手袋(2枚)、マスク、エプロンなどを着用し、換気のために窓を開けます。

②嘔吐物を厚紙などですくい取り、使用した厚紙や手袋なども一緒にビニール袋に入れ、袋の口をしっかり縛ります。袋には厚紙などが浸るくらいの消毒液(※汚物用消毒液)を入れておきましょう。

③汚れた場所をペーパータオルなどで覆い、その上から十分に消毒液(※床用消毒液)をかけます。

④10分後、水ぶきします。

⑤汚物の入った②の袋、手袋、マスク、エプロンなどをビニール袋に入れて袋の口をしっかり縛り、廃棄します。

⑥処理が終わったら、丁寧に手を洗いましょう。

 

【消毒液の作り方】

キッチンハイターなど市販の塩素系漂白剤でノロウイルス用の消毒液を作ることができます。

 

*今日からできる!3つの対策

①手洗い・うがいをする。

②加熱した食品を食べる。

特に貝類の調理には気を付けましょう。貝類は加熱することでウイルスが消失します。しっかり加熱した状態であれば感染しませんが、高齢者や子ども、大人であっても体調が悪ければ生や加熱不十分で食べると感染リスクが高まります。

③手や食器を清潔にする。

ノロウイルスの殺菌に効果があるのは次亜塩素酸ナトリウムです。一般のエタノールや逆性石けんではウイルス自体は死滅しません。感染した人の嘔吐物や排せつ物が付いたリネン類、床、食器などの殺菌は次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用しましょう!

感染後1週間~1カ月は排せつ物と共にウイルスが体外に出ていると言われています。その間は排せつ物に触れないように気を付け、接触する可能性のある物や場所は塩素系消毒液を浸み込ませた布やペーパータオルで拭き取るようにしましょう。

 

【次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する際の注意点】

この液で手などを消毒すると手荒れにつながり、荒れた部分にノロウイルスなどが入り込んで逆効果になることがありますので、避けてくださいね!

若林紗也子さん

1991年岡山生まれ。看護師として急性期病棟、小児科を経てフリーランス看護師に転身。現在は病院、訪問看護、保育園などで勤務。小児科勤務時代に子育てに不安や孤独を感じるママが多いことに気付き、子ども、ママも含めた家族支援の必要性を感じ胎内記憶教育や子育て数秘を学び、ママや家族のカウンセリングも実施。また、‟そよ風のように そっと包み込む 優しさを”をモットーにSNSなどで思いを発信しています。

ブログ:https://ameblo.jp/mah358alo/

Instagram:https://www.instagram.com/say385ako/

 

 

【参考サイト】

・サラヤ福祉ナビ「ノロウイルス」

https://pro.saraya.com/fukushi/kansen/shurui-tokucho/noro

・厚生労働省「食中毒」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html

・Medical NOTE「子どもがノロウイルス感染症にかかったら~症状や対処方法について~」

https://medicalnote.jp/contents/200120-011-SW

・ニプロESファーマ株式会社「家庭でできる嘔吐物の処理方法」

https://www.nipro-es-pharma.co.jp/general/generic-plus/medicine_illness/ohanashi_16.html

 

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