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理学療法士ママの「からだもこころも心地良い子育てのために」⑥/【日常生活のススメ・どこまで動いていいの?妊娠中のスポーツ・運動負荷について】

こんにちは!岡山県の子育て支援の現場で「ママの身体」「抱っことおんぶ」「こどものからだ」のアドバイスをしている「ままからだっこ」のはまだです。本コラムでは、運動や身体の使い方を専門とする理学療法士の視点から、赤ちゃんとの暮らしを楽しくラクにするためのヒントを発信していきます。

 

今回は「妊娠中の運動負荷」についてのお話。私も困った一人です。ご参考になさってください。

 

◆妊娠中に身体を動かすって?

妊娠中は母体の体重管理や高血圧予防のため、「動かなくちゃいけない」状況と「動かない」または「動けない」状況とで戸惑われる方もいらっしゃるかと思います。

妊娠周期や母体の具合によっては安静にしなくてはいけないこともありますが、お産は大仕事。スムーズなお産のためにも、体力や筋力の維持・向上は大切です(過去のコラムも参考にしてください)。

実際に腰痛や肩こり、便秘などマイナートラブルを抱える妊婦さんも多いので、その予防のためにも「どの程度動いていいのか?」を知り、可能な範囲で身体を動かすことができるといいですね。

 

◆動いていいの? 安静第一?

妊婦の適正な運動は、国内だけでなくアメリカやカナダでも健康増進につながると言われ、継続するよう推奨されています。妊娠中の激しい運動はもちろん厳禁ですが、適切な時期や量であれば胎児に影響を与えることはなく、むしろ母体へさまざまなメリットがあると言われています。

ただし、一言に妊娠中と言っても個々状況が違いますので、胎児と母体、安全に考慮し、かかりつけの主治医の指示に従って相談しながら進めましょう。なお、すでにスポーツをしている方は必ずそのことを主治医に伝えましょう。

 

◆妊娠中のスポーツOK基準

以下、基準をまとめてみました。

▽どんな場合ならいいの?

現在の妊娠経過が正常で、以下の条件を満たしている場合

①後期流産・早産の既往、合併症がないこと

②単胎妊娠で胎児の発育に異常が認められないこと

③妊娠成立後にスポーツを開始する場合,原則として妊娠12週以降であること

 

▽どんな運動がいいの?

①有酸素運動かつ全身運動で、楽しく長続きするものが望ましい

②腹部に直接的な外傷や圧迫を与えるものや、落下や転倒、相手との接触のリスクがあるものは避ける

③妊娠16週以降では、長時間仰臥位(仰向け)になるような運動は避ける

 

▽どの程度がいいの?
①心拍数が1分間に150回以下、自覚的運動強度(下記図3参照)としては「ややきつい」以下が望ましい

② 連続運動を行う場合、自覚的運動強度としては「やや楽である」以下

③午前10時~午後2時の間

④週2~3回、1回60分以内

▽気を付けたいのは?

「立ちくらみ、頭痛、胸痛、呼吸困難、筋肉疲労、下腿の痛みあるいは腫脹、腹部緊満や下腹部重圧感、子宮収縮、性器出血、胎動減少・消失、羊水流出感などの症候が現れた場合、医師に継続・中止について相談する」となっています。

 

※「妊婦スポーツの安全管理基準」(2019)日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会、日本産婦人科学会、日本産婦人科医会「2020. 産婦人科診療ガイドライン‐産科編」より一部抜粋

 

◆具体的にはどんな感じ?

ヨガやストレッチ、ゆっくりとした運動、浮力を用いたアクアビクスなどがよろしいかと思います。

そのほか気軽にできるウォーキングや、日頃の家事なども立派な運動です!(もちろん、負荷は上記の基準を参考に)

◆すぐに始められるウォーキングは、特にこの時期は戸外の炎天下を避け、

◎体調に応じて、誰かと会話できるくらいの強度を目安に行う

◎いつもより歩幅を広くとる

◎歩くスピードを上げる

◎大きく手を振る

◎歩く距離を伸ばす

ことで運動強度が上がりますね。難しく考えなくてOK!

◆そのほか家事動作では、余裕があればいつもの動作にプラスαできますね☆

◎雑巾がけ(昔ながらの定番!)

◎洗濯物を干すとき、足を広げて膝をゆっくりと曲げ、軽くスクワットしながらかごから取り出す、そしてしっかり腕を上げて物干し竿に干す

◎掃除機をかけるとき、肘を伸ばすよう大きく遠くに腕を動かす

◎洗い物はシンクに寄りかからないようする

などの工夫で負荷が上がります。

 

いずれにせよ、適度な休息を入れながら自分の身体の様子を観察し、負荷が掛かりすぎないよう気を付けましょう!どんな運動でも、呼吸を止めず息をしっかり吐くことを意識することもお忘れなく!あとは楽しくできるといいですね☆

 

「何かいつもと体の具合が違うな」ということがあれば、すぐに主治医に連絡を!

実際どんな運動が良いかは、主治医並びに産前産後に対応した専門家にご相談ください。

お腹の赤ちゃんだけでなくご自分の身体も愛でながら、健やかなプレママライフを楽しんでいただけると嬉しいです!

 

 

濱田由紀(はまだ・ゆき、理学療法士)

鳥取県出身、岡山市在住。一般病院への勤務を経て、現在はママと赤ちゃんがからだのことを気軽に相談できる身近な理学療法士を目指し、岡山県内各地域の子育て支援センターや母子サロンなどで出張講座、自宅訪問などを行っている。ままからだっこ主宰。骨盤底筋pfilAtesインストラクター、北極しろくま堂アンバサダー、子育て支援員。

9月は岡山市、倉敷市、津山市、総社市、真庭市、吉備中央町の子育てひろばや赤ちゃんサロンへ出張講座へ出向きます。詳しくはままからだっこ公式LINEInstagramへ。

自主開催

914日 子供の靴選び講座(親子カフェUmeno岡山市中区)

◎月数回 発達あそびじかん(岡山市北区)

 

Instagram→instagram.com.hamayuki.mamakaradacco

 

HP→https://mamakaradacco-hamada.amebaownd.com

ママと赤ちゃんのサポーター療法士 ままからだっこ

 

☟過去の記事はこちら

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