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【看護師さんが伝える健やかな暮らしお役立ちコラム①】 『“お手当て”の不思議なチカラ』

ママにとって家族が心身ともに健やかに暮らせることは何よりの宝物!岡山の子育て世帯の健やかな暮らしを応援するため、現役フリーランス看護師の若林さやこさんに家族や子どもの健康に役立つ情報をお届けしていただきます。

*“お手当て”とは?


「“いたいのいたいの”とんでいけ~」―と、子どもの頃に声を掛けられ、そして今は子どもたちに声を掛けたことはありませんか?母の温もりに包み込まれたような感覚になり、痛みが本当になくなってしまう…。なんとも不思議ですよね。また、普段の生活の中でも痛い部位があると自然と手で「さする」ことが多いのではないかと思います。

 

『お手当て』というのは、「手を当てて対処する」というシンプルなことが始まりです。ケガや病気などの処置をする医療的な行為を「手当て」と言いますが、言葉の由来は、私たちが普段から自然に「手を当てる」ことによって得られる癒やし効果が原点という説もあります。

 

 

*幸せホルモン“オキシトシン”とは?


なぜ、手を当てることが痛みの緩和に効果があるのでしょうか?

 

これは「手当て」が生み出す『オキシトシン』というホルモンの存在があるからです。オキシトシンは「幸せホルモン」「絆(きずな)ホルモン」などと呼ばれるホルモンで、大切な人への愛情や愛着、信頼関係の形成、心に安らぎをもたらします。さらに脳から分泌されるオキシトシンの量は、親しい人との触れ合いなどスキンシップによって増大することもさまざまな研究で分かっています。

 

「手当て」が不安やストレス、苦痛などを和らげ、心を癒やしてくれるように、何かを見て「あぁ、ほっこりするなぁ」「心が穏やかになったなぁ」という気持ちや感覚になるのもオキシトシンがあるから。健康面でのオキシトシン効果は他にも、

・血流促進 
・血圧の低下 
・鎮痛作用 
・胃腸の運動機能の強化 
・胃粘膜の修復
・抗炎症作用 
・抗酸化作用

などが挙げられます。

 

 

*オキシトシン効果を使った手当ての方法

ポイントは優しく触れてさすったり、温めたりすることです。オキシトシンは触れる側、触れられる側がお互いにリラックスした状態でなければ効果が出ないそうです。自分がまずはリラックスした状態で相手に触れると、相手も安心感が得られます。

 

例えば、親子のスキンシップ中、ママも子どもも喜びが得られた時にオキシトシンの分泌が促進され、効果が期待できます。何かをしながらの触れ合いではなく、その時間だけは自分の体に意識を向け、どのように感じているかを味わってみましょう。

 

「私は大丈夫!」と思っていても、人に触れてもらった時に凝り固まった自分の体に気付くこともあります。卒業、入学、進級などさまざまな準備でお忙しく過ごしているご家庭も多いとは思いますが、“触れ合い”を感じられる時間を日常に取り入れ、新年度のスタートを健やかに迎えましょうね。

 

若林紗也子さん

1991年岡山生まれ。看護師として急性期病棟、小児科を経てフリーランス看護師に転身。現在は病院、訪問看護、保育園などで勤務。小児科勤務時代に子育てに不安や孤独を感じるママが多いことに気付き、子ども、ママも含めた家族支援の必要性を感じ胎内記憶教育や子育て数秘を学び、ママや家族のカウンセリングも実施。また、‟そよ風のように そっと包み込む 優しさを”をモットーにSNSなどで思いを発信しています。

ブログ:https://ameblo.jp/mah358alo/

 

【参考文献】

・町田久著「タッチング―夫婦・親子からできる幸せ健康法 肌から病気を癒す」(コスモトゥーワン、2006)

外尾幸恵著「『触れる』だけで、心と体が軽くなるタッチングケア」(三笠書房、2018)

 

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