初めまして、メディカルハーブセラピストの西睦美です。
普段は、お客さまの心と体の状態に合わせたオーダーメイドのハーブティーを提供しています。
「ゆったりお茶を飲む時間なんて取れない」「淹れるの面倒くさい」…。
いろいろ思うことはあるかと思いますが、心が動いたときが始めどき。
ハーブは驚くほど簡単に心をほぐしてくれるんですよ。
このコラムでは自身の子育て経験も踏まえながら、産後ママの体調ケアや赤ちゃんケアに役立つハーブ術など、健康維持へのメディカル面と“ふわっとした癒やし感”を合わせてお伝えしたいなと考えています。
もし今は響かなかったとしても、このコラムが頭の片隅に残って、数年後のあなたがふとハーブのことを思い出してくれたら嬉しいです。
私がハーブを飲み始めたのは、自身の喘息と花粉症がきっかけでした。
ハーブを知って早々に思ったのは、「いっぱいいっぱいだった新米ママのころの私に、ハーブティーを飲んでほしかった」ということ。
寝不足でも腹痛でも熱があっても、ワンオペなので育児が最優先…。
体調に関係なくエンドレスに続く家事…。
メンタル的にもかなりまいっていた第一子の育児。
泣いている赤ちゃんを抱き「泣きたいのはこっちだよ」と呟く…。
そのときは気づかなかったけれど、メンタルの落ち込みには睡眠不足のほか、低血糖や低タンパク、貧血といった栄養のアンバランスもかなり影響していました。
「そんな過去の私に、そして今しんどいと感じているママたちにも、ハーブティーを淹れてあげたい」
癒やしを感じた脳は、狭くなっていた視野を広げて感情を鎮めます。
そして一旦心が落ち着くと、人はちょっとだけストレスに強くなれます。
育児中のママは「自分を後回しにしがち」。
特に責任感が強く真面目な性格のママは、休むことに罪悪感を持ったり頑張りすぎてしまいます。
でも、忙しいからこそ自分を癒やす時間が必要なんです。
少し立ち止まることで、脳は「余裕がある」と錯覚して本当に余裕が出てくるから。
焦っているときの脳って、ほんと「何してんねん!」って突っ込みたくなるほど効率悪いんですよ(笑)
家族の前で「笑顔でい続ける」って簡単じゃないって思うから、まずママが癒されてください。
とある自然療法の本を読んでいて「ママは家庭のセラピスト」という一言に釘付けになりました。
それは私が日ごろハーブで子どもたちを癒やす中、言葉にならずとも感じていたことだったから。
セラピストとは「癒やす人」のこと。
病院に行けばお医者さんが「症状」を診て薬を出したり、看護師さんがパパッと処置してくれてとっても頼りになります。
対して「ハーバルセラピスト」(ハーブを使って癒やす人)は、医療行為はできません。
しかし症状を手がかりに「その人全体」を見て、植物の力で心と体の根本(自然治癒力)を整えることができます。
この「全体を見る」というのは、お家でママが子どもにする「お手当て」そのものなんです。
だから「ママはお家のセラピスト」。
子どもにハーブを使うとき、心と体、普段の言動や雰囲気-つまり全体をみています。
例えば、子どもが「お腹が痛い」と言うとき。
食べ過ぎかもしれないし、冷えたのかもしれない。
食あたりかもしれないし、うんちが出る予兆なだけかもしれません。
そこでママはなんとなく察しますよね。
「これは病院行ったほうがいいな」とか、「様子見ていいやつだな」と。
だっていつも近いところで見ていて「こうなる前の流れ」がわかるから。
体質、生活環境、お友だち関係、ふと吐いた弱音とか…ヒントがたくさん。
謎解きの結果「学校を休んでいいよ」の一言にたどりつくこともあります。
求めていたのは「治療」ではなく、「信じて受け入れてもらうこと」だったという場面です。
これは医療では治せません。
「仮病かな?」という勘が働いたとしても、うちではお腹に良いハーブを淹れます。
そのハーブが心の緊張を解く作用を持っていて、そちらに期待するためです。
子どもは体が未熟である上、うまく気持ちを言語化できないことも手伝って、ストレスが症状となって体に表れやすい。
そんなとき薬じゃ対応できないから、心をほぐしてくれるジャーマンカモミールティーを。
ほんのり甘い香りのするこのハーブは子どもにも好まれる味です。
※キク科植物にアレルギーがある子は控えてください。
リラックスハーブの代表ですが、ティーで飲みにくい子には牛乳と合わせてミルクティーにするのもおすすめ。
【カモミールミルク】
お好みでハチミツを足しても美味しいです。
※1歳未満の子にはハチミツは与えないでください。
「ママのお手当て」で子どもが受け取るプラスαは、安心感、優しさ、温もり、幸福感など…いろいろ。
その記憶が優しい思い出になって、大きくなっても辛いときに心を支える土台になってくれたら…。
そして、将来子どもができたとき、その子に優しさを繋いでくれたら…。
そんな想いで、このコラムのタイトルを「心と体を育むハーバル子育て」と名付けました。
日々忙しいママさんパパさんにも、ハーブティーは心身の「心地いい」という感覚を取り戻させてくれます。
子育て期間が親子両方にとって幸せなものであるため、ハーブが助けになりますように。
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西睦美(にし・むつみ、メディカルハーブセラピスト)
心身の不調を植物の力で緩和。薬で止まらなかった喘息をハーブで改善。リラックスだけじゃない、身体の根本を整える美味しいメディカルハーブティーをブレンドするJAMHA認定ハーバルセラピスト。メディカルハーブを専門に、岡山・倉敷市内でハーブのミニ講座を含めたワークショップを随時実施。教室の開設を目指し勉強・実践中。